機敏に立ち回る郡司浩
調子の波が少なく、今年も年頭から安定した走りを披露している郡司浩平。高松宮記念杯着の決勝は、北日本勢分断を図るも奏功せず大敗を喫したものの、勝ち上がり戦は確定板を外していない。6月久留米記念着は4分の1輪差で北津留翼に優勝を譲ったが、4車結束の九州勢に対し郡司は単騎。俊敏に立ち回ったレース内容は悪くなかった。この大会は過去10年以上、暮れのグランプリ前の12月に開催されていて、郡司はここ数年、参戦していない。今の調子なら初Vを飾るとみて中心視した。連係実績が豊富な和田健太郎が郡司とタッグを組む。1月和歌山記念の初日特選でワンツーを決めている。また、昨年のこの大会は逃げた深谷知、鈴木裕の南関3番手から直線で中を割って優勝をものにした。郡司の仕掛け次第では大会連覇は大いにありそうだ。
北日本勢も戦力は整っている。スピード非凡な新田祐大が先陣を受け持ち、SS班の守澤太志、堅実な和田圭が盛り立てるラインは強固だ。ダービー前検日の指定練習で落車負傷し、欠場が続いていた新田は高松宮記念杯から実戦に復帰。結果は着、本来のスピードが影を潜めていたが、この開催までには調子の上積みが見込めるはず。6月はあっせんが止まった守澤だが、5月はダービー着、函館記念着、佐世保全プロ記念競輪着と素晴らしい伸びを披露していた。新田が好機に仕掛けて主導権を握る展開なら首位に躍り出る場面も。
この大会には抜群な実績を残している地元の井上昌己も有力な優勝候補だ。61、64、65周年で3Vを達成している。昨年の決勝は無念にもタイヤ差で優勝を逃がしているだけに、今年にかける思いは相当なものだろう。ダービーでは着と3勝、6月取手は山崎賢と星を分けて着など最近の伸びは申し分なく、チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。中川誠一郎は当バンクのレコードホルダー。今年の1月に10秒7を叩き出している。高松宮記念杯では2日目に選抜戦ながら上がり11秒3の快速まくりを決めて勝っており、自慢のスピードに陰りは見られない。64周年大会の決勝は井上昌を連れて先行し、井上のVに貢献した実績もある。伊藤颯馬は自力攻撃に破壊力を増している。6月久留米記念では2着と気を吐いた。決勝は九州4車の連係で阿部将の番手を回ったが、ここは先頭で戦う可能性もありそうだ。小川勇介は高松宮記念杯では敗者戦ながら2勝を挙げている。九州勢がレースを掌握なら上位進出が望める。
松岡健介、村田雅一の兵庫コンビ、杉森輝大、武藤龍生の関東勢は総合力で劣勢なのは否定できない。渡部哲男、久米良の四国勢は位置取りが浮沈の鍵となりそう。