破竹の快進撃続く脇本雄
若手の自力型が多く、しかも初日は全選手が一次予選からのスタート。無条件で勝ち上がりが保証されているレースは一つもない概定番組だ。初日から激しいバトルが繰り広げられそうだが、圧倒的な脚力を持つ脇本雄太には、不安材料にはなるまい。5月平でダービー2V目を達成すると、8月西武園ではオールスターを無傷の5連勝で制覇した。5月福井の準決から勝ち星を積み重ねていて、目下のところ20連勝。S級の連勝記録を更新中だ。トップスピード、ダッシュ力、持久力と3拍子そろっているので、先行してもまくりに構えても別線を沈黙させている。共同通信社杯初Vを飾る公算が大きい。古性優作が脇本とタッグを組む。今年の古性はビッグレースで素晴らしい成績を残している。全日本選抜、高松宮記念杯で優勝、ウィナーズカップ、ダービー、オールスターでは決勝に進出。オールスターのドリームレース、シャイニングスター賞はいずれも脇本に食い下がり2着、ドリームではタイヤ差まで肉薄した。脇本が先行なら差し切りも考えられる。
輪界を代表するオールラウンダーの松浦悠士は総力戦で打倒脇本を目指す。オールスターの決勝は、寺崎浩の番手を脇本から奪い取っての番手まくりで準V。惜しくも脇本に4分の3輪交わされたものの、あわやの場面をメイクした。その前後の場所もサマーナイトは昨年に続き連続V、8月富山記念は優勝と最近の動きは申し分ない。盟友の清水裕友をはじめ太田竜馬、犬伏湧也ら頼れる自力型もそろっている。
関東勢も戦力は整っている。平原康多、宿口陽一、吉田拓矢と3名のSS班に眞杉匠。大将格はもちろん平原だ。相変わらず成績は高いレベルで安定していて、今年はG3で4V、勝率は5割を上回っている。ただ、ビッグレースの決勝では確定板入りがないだけに、そろそろ結果を出したいところ。
オールスターの最終日に落車した郡司浩平だが、8月小田原記念では❷着と不安を一掃。その小田原記念でVをゲットしたのは深谷知広だ。地元勢が4車そろっていたため郡司とは別線勝負だったが、仕掛けるチャンスを逃がさず豪快なカマしを決め、2着以下を7車身千切っている。両者は連係実績が豊富なので動向から目が離せない。
北日本勢も総合力はかなりのもの。佐藤慎太郎、守澤太志のSS班に新田祐大、成田和也、新山響平、中野慎詞と自力型、追い込み型ともにバランス良くそろっている。中でも注目を集めるのはスーパールーキーの中野だ。デビュー後は27連勝していて超エリート街道を驀進中。スピードには素晴らしいものがあり、トップクラスを相手にどこまで通用するのか興味が持たれる。
前年の覇者である山口拳矢にも魅力を感じる。8月富山記念の準決では、上がり9秒2の快速まくりを決めて勝ったように調子は上向き。一発には注意したい。