今年も存在感際立つ脇本雄
昨年は初めてグランプリ王者に輝いた脇本雄太。G1でもダービー、オールスターを制覇していて、圧巻の12Vを達成。獲得賞金は輪界初の3億円オーバーの金字塔を打ち立てた。グランプリチャンピオンユニフォームで参戦する1月和歌山記念は、ファンの注目を大いに集めていたが、結果は4連勝。初日特選、二次予選、準決はいずれも超速まくりで別線を飲み込むと、決勝は新田祐大との激しい叩き合いの末に主導権を握ると、マークしていた古性優作も振り切る豪快な逃げ切りでファンの期待に応えた。今シリーズも輪界トップの脚力で優勝をゲットし、存在感を示す。古性も昨年は素晴らしい成績を残していて、獲得賞金ランキングは第2位。全日本選抜、高松宮記念杯とG1で2Vを飾っている。最近は脇本との連係が多く、グランプリに続き和歌山記念の初日特選、決勝でタッグを組んでいる。3走ともワンツーを決めたものの、すべて脇本の押し切りだ。そろそろ逆転したいところだが、脇本の強さは際立っているし、当所は短走路の中でも直線が短い。番手の仕事をこなしたうえで差し切るのは厳しいか。地元勢では67周年の覇者である三谷竜生に期待がかかる。最近はF1戦の出走が多く、ここ5場所はオール優参を果たしているが、決勝での確定板入りはない。絶好調と言えるような動きではないものの、この開催にはきっちり調整しての参戦となるはず。地元の意地を見せるか。
新田、佐藤慎太郎と2枚のSS班を擁する福島勢。小松崎大地もいるので戦力は整っている。昨年は寬仁親王牌を制覇し、輪界4人目となるグランドスラマーの称号を得た新田。今年は初戦の1月立川記念で4連勝と最高のスタートを切った。しかしながら、続く和歌山記念は初日特選、決勝と脇本の後塵を拝している。決勝は正攻法からフルダッシュで脇本の仕掛けに応戦したが、脇本の豪脚にねじ伏せられただけに、リベンジに燃えているはず。脇本をどこまで苦しめられるか注目したい。
昨年はビッグレースの優勝には手が届かなかった平原康多だが、G1で優参4回、G3で4Vを達成している。勝てば4連覇だった1月大宮記念は❺着。Vは逃すも動きそのものは悪くなかった。昨年はヤンググランプリで優勝した菊池岳仁に前を任せ、後ろを連係実績の豊富な諸橋愛が固めればラインは強固。菊池が好スパートを決めれば、首位に躍り出る場面もありそうだ。
昨年は12月平塚グランプリシリーズをVで締めた松井宏佑。その勢いは今年も持続していて、立川記念3❸着、続く広島は3連勝と自慢のスピードを遺憾なく発揮している。タイミング良く飛び出して台風の目と化すか。和田健太郎が松井を盛り立てる。