SS班を脅かす地元勢
SS班3名はいずれも高松宮記念杯で力強い走りを披露している。中でも決勝で見せ場を作った松浦悠士の動きは光っていた。突っ張って先行した脇本雄の番手を回った古性優の好ブロックに阻止されたが、最終2コーナーを立ち直ったところで4番手からまくって出たスピードは素晴らしかった。脇本の番手が古性ではなかったら、脇本を飲み込んでいたと思われるような脚勢だった。ここは地元勢が大挙出走するので、連係はメンバー次第だろうが、今の調子なら自分で勝負しても不安はない。
ダービーの準決で落車した郡司浩平は、その後3場所欠場した。復帰戦の高松宮記念杯は状態が注目されたが、結果は❼着。目標が主導権を握った3個レースは、余裕たっぷりの捌きできっちり勝ち星をものにしている。5走すべて番手戦だったが、今シリーズは前で戦うレースが多くなりそう。豊かなスピードと機敏な立ち回りでVを狙う。内藤秀久、和田健太郎が援護するので南関ラインは強固だ。
高松宮記念杯❾着。決勝は脇本に突っ張られて主導権を握れなかった新山響平だが、東二次予選で吉田拓、和田真らを完封する逃走劇を演じると、東準決は先行態勢に入った北井佑をあっさりねじ伏せていて、スピード、末脚の粘りともに素晴らしかった。タイミング良く仕掛けて先手を奪えば好勝負に持ち込める。成田和也が新山を盛り立てる。今年はまだ優勝には手が届いていないが、直近4カ月の競走得点は116点台。高松宮記念杯では青龍賞2着など、高いレベルで成績をまとめている。新山とは直前の6月久留米記念の準決でもワンツーを決めたばかりで、北日本勢がレースを掌握なら連に浮上してこよう。
迎え撃つ地元勢は強大な戦力を誇っている。自力型は犬伏湧也、太田竜馬、小川真太郎、島川将貴、追い込み型には小倉竜二、久米良。初参戦のダービーで決勝に進出し、高松宮記念杯では、G1連続優参が期待された犬伏湧也。着と尻すぼみの結果となったが、スピード、ダッシュ力は光っていた。まだレースの組み立てに課題を残すが、自慢のスピードを遺憾なく発揮できれば、地元勢で上位独占は十分。この大会に実績を残しているのは太田竜馬だ。69、71周年と2Vを飾っている。今年はなかなか調子が上がらなかったが、最近は勝ち星が多く、3V目ゲットの期待がかかる。ベテラン小倉は直前の落車の影響が軽ければ。高松宮記念杯の西一次予選1では、犬伏の逃げに食い下がり2着に入った。
調子がいいのは東口善朋。最近は素晴らしい伸びを披露している。5月函館記念では➍着と連勝で決勝に乗ると、高松宮記念杯着は惜しくも優参は成らずも3勝をあげた。ただ、今シリーズの近畿、中部は上位の自力型が手薄。位置取りが浮沈の鍵となりそうだ