大会初Vを狙う古性優
昨年はG1で年間3Vの偉業を成し遂げた古性優作。今年も全日本選抜は3連覇こそ逃がしたものの、準決1着で危なげなく決勝に乗っている。G1の実績では、他を大きくリードしているだけに、ビッグレースでは一番信頼がおける存在と言える。この大会はまだ手中に修めていないが、第5回大会で準Vがあり、優勝に手が届いていないのはたまたまとみていい。今の充実ぶりなら持ち味を存分に発揮して初Vをゲットしよう。対照的に脇本雄太は順調さを欠いている。1月平記念で落車負傷、持病の腰痛もあり、なかなか調子が上がってこない。3月松山記念の初日特選で同乗したときは、古性に前を任せている。それでも、二次予選は別線をあっさりねじ伏せる異次元のまくりを決め、上がりタイムは11秒1。たとえ本調子ではなくても、輪界第一人者の底力は侮れない。
この大会で最も存在感を示しているのは、松浦悠士、清水裕友の中国ゴールデンコンビだ。松浦は第4、7回、清水は第5、6回で優勝していて、ここ4年間は両者でVを分け合っている。両者は近況も良好で、松浦は2月高松❷着、3月玉野記念❶着と連対ラッシュ。清水は1月大宮記念と2月静岡記念でV、全日本選抜は準Vと快調なペースで飛ばしている。好連係を決め今年も中国勢が優勝をものにしても不思議ではない。
南関勢も戦力は整っている。全日本選抜Vの郡司浩平は不在ながら、自力型はSS班深谷知広、北井佑季、松井宏佑、追い込み型には松谷秀幸、和田健太郎と実力者がそろう。深谷と北井は、3月松山記念の初日特選で連係している。正攻法から突っ張って先行し、別線を沈黙させた北井を深谷が差して南関ワンツーを決めた。古性、脇本、新山響平、佐藤慎太郎、嘉永泰斗らG1決勝並みのメンバーだっただけに価値がある。全日本選抜に続き南関勢が覇を握る場面は考えておきたい。
新山響平、佐藤慎太郎の北日本SS班コンビも忘れてはならない。今年もSS班を維持した新山は、相変わらずスケールの大きな競走を演じてる。やや末脚を欠いての2着が目立つものの、全日本選抜ではきっちり決勝にコマを進めた。主導権さえ握れば簡単にはまくらせない。大ベテランの佐藤は、目標をつかんだときの捌き、差し脚はしっかりしているし、位置が悪くなった時のコース選択も的確。たとえ目標が不在でも突っ込みには注意したい。
昨年はオールスター、競輪祭と2冠に輝いた眞杉匠も好勝負が見込める。今年は練習中の落車で鎖骨を骨折するアクシデントがあったが、確実に調子を戻している。関東勢はラインの総合力では劣勢だが、競輪祭を単騎戦で制している眞杉だけに軽視は禁物だ。
昨年のオールスターで落車した後は、なかなか調子が上がらなかった山口拳矢だが、3月玉野記念❸着の動きは復調気配を感じさせた。