古性優作がリベンジに燃える
シリーズの中心は古性優作、南修二の大阪コンビに、東口善朋も加わる近畿勢だろう。今年も古性は順調に終盤戦へと突入する。オールスターでは今年初のビッグVを奪取。覚醒した同期の窓場千のまくりをゴール寸前できっちり捕らえての栄冠は近畿の新黄金タッグ誕生をも予感させるものだった。続く8月富山記念も石塚輪を好リードして優勝と番手もこなすが、本来は自力自在戦が身上。位置取り、仕掛けのタイミングとスキがないし、踏み出してからのスピードの乗りも申し分ない。共同通信社杯は準V。決勝で敗れた眞杉匠へのリベンジをまずは念頭に記念優勝回数をさらに伸ばそう。後位も南、東口が固める盤石の布陣。南は高松宮記念杯で優参、オールスターも4度の確定板入り、そして共同通信社杯でも決勝に乗る活躍ぶりだ。差し脚切れるし、番手を回った時に相手に与える威圧感は半端ない。
眞杉、森田優弥、吉田拓矢の関東勢も戦力が整っている。怪我でスタートした24年の眞杉だったが、着実に盛り返してサマーナイトでは、脇本雄-古性を豪快まくりで一蹴する強い内容でVをゲット、さらに地元の大一番だった共同通信社杯も制覇。これで2年連続でのグランプリ出場にも大きく前進した。競輪界屈指の機動力に、ヨコの動きも備えるので、別線の抵抗を力でねじ伏せる場面は容易に目に浮かぶ。吉田も大会連覇へ視界は良好だ。失格で昨年後半を棒に振るも、ダービーで決勝に乗って表舞台に返り咲いた。6月取手記念では関東の結束力を見せ付けて地元優勝、富山記念も単騎戦で古性の準Vとまとめており、ここも眞杉、森田と組めればV十分だろう。
地元勢も総力を結集して立ち向かう。S班の新山響平、好調時のキレが戻ってきた守澤太志を軸に坂本貴史、永澤剛ら総勢10名が参戦する。今年の新山響は全日本選抜、高松宮記念杯、オールスターとG1戦3大会で決勝進出。トレードマークの“前受けからの突っ張り先行”だけでなく、最近は押さえ先行で結果を出したり戦術の幅も広げている。エースとして譲れない大会だし、19年の69周年大会以来のVを目指す。守澤もオールスターでは新山響らとともに優参するなど随所で存在感を発揮。まだ獲っていない地元記念Vに闘志を燃やす。
見逃せないのが躍進著しい阿部将大だ。共同通信社杯を欠場したのは気掛かりだが、4月高知記念で新山響や清水裕、深谷知のS班勢をまとめて破って優勝すると、6月函館G3もV。そして、7月の地元別府記念では古性を倒して完全優勝してみせた。仕掛け早いタイプではないが、自信を持ってレースを組み立てられていて、山田英明との九州タッグもVを争う。