快速誇る山崎賢が主役

山崎賢人
2024年UCI自転車世界選手権大会のケイリンで、金メダル獲得の快挙を達成した山崎賢人。だが、本業の競輪での成績は今ひとつだ。昨年は6月に久留米記念で優勝するなど2Vを飾っているが、今年はまだ決勝で確定板入りがなく、4着が最高の数字だ。とは言え、ダービーの一次予選、高松宮記念杯の西一次予選1では、いずれも2着に入っていて、随所でワールドクラスのスピード、ダッシュ力を効かした自力攻撃を披露している。今後は誘導妨害のペナルティーで長欠に入る。その分も1枚上のスピードにものを言わせて優勝をものにするとみた。松岡貴久が山崎とタッグを組む。今年は安定した成績を残している。まだ優勝には手が届いていないものの、準Vが3回。高松宮記念杯では3走目に1勝をあげている。山崎の仕掛けにきっちり続ければ九州ワンツーは有力だ。

鈴木玄人
地元の鈴木玄人がG3初Vに闘志を燃やす。6月平塚では、先行とまくりを使い分けての3連勝でS級初Vをゲットしていて、最近は自力攻撃に一段と磨きがかかった感がある。直近4カ月の競走得点も110点の大台に乗せた。自力勝負でも優勝は十分に狙えるが、関東スジの吉田有希との連係が叶うようなら前を任せるか。その吉田は相変わらず先行基本の競走で奮戦していて、直近4カ月の連がらみの決まり手はジャスト8割が先行だ。5月宇都宮記念、取手記念では、いずれも3連対の大活躍。高松宮記念杯でも4走目に勝ち星を手にしていて、最近の調子も申し分ない。タイミングよく仕掛けて先手を奪えば、強じんな粘りを発揮する。百戦錬磨のベテラン・和田健太郎が関東勢に加勢なら、ラインは更に強化する。

岩津裕介
レース巧者の岩津裕介も有力な優勝候補の一人だ。6月取手記念では準決2着で決勝に進出、高松宮記念杯は西二次予選2着で西準決にコマを進めていて、相変わらず高いレベルで成績をまとめている。中四国の上位陣には自力型が手薄なので、動向が注目される。メンバー構成次第では、九州勢との連係もあるか。
ダークホースは中釜章成だろう。当所には好実績を残している。一昨年の記念開催では準決で勝ち星をゲットすると、昨年は2着と3連対を果たしている。高松宮記念杯では3走目に石原颯の逃げをまくりで仕留めていて、十八番のまくりには素晴らしい破壊力がある。仕掛けがツボにはまると怖い。中釜には中近スジで山口富生が続くか。55歳の大ベテランながらあふれる闘志は健在で、年齢を感じさせない差し脚を披露している。
阿部拓真、伏見俊昭の北日本勢も侮れない。阿部は宇都宮記念で2❷着と好走すると、6月別府記念は3着とまとめた。ただ、高松宮記念杯では初戦で落車し、以後は欠場したので、体調には一抹の不安が残る。