検車場レポート
竹内 智彦 宮城 84期 |
勢いある取鳥雄吾がS班の渡邉一成を苦しめた。岩本俊介が赤板過ぎに誘導員を降ろして先頭に立ったが、取鳥は渡邉から目を切らせることなく岩本を泳がせる形から一気のスパート。巻き返しを狙った渡邉とダッシュ戦となったが一歩も引くことなく取鳥がそのまま主導権。黒田が離れたことを確認した渡邉は取鳥の番手に入り、まくってきた岩本を引き付けながら抜け出しにかかるも、車の出はイマイチで、取鳥と渡邉の間を割った竹内が直線で突き抜けた。
「2人とも平面ダッシュが凄くてヤバかったですよ。でも(黒田が)離れたので落ち着いて迎え入れることができました。でもまさか1着を取れるとは思っていませんでした。半年ぶりくらいの1着ですね」
2着に突っ込んだのは坂本健太郎を追走から大外を踏み込んだ中川誠一郎。
「今日は全て任せていたので。雨走路は嫌いではないですし、車の伸びも徐々に良くなってきている。でももう自分で展開を作れるような脚はないし、得意パターンというかチャンスが来た時にしっかりと1着を取れるように準備をしておきたい」
S班の渡邉は伸びきれず3着と悔しそうにレースを振り返る。
「(取鳥は)僕だけ見る感じてしたね。巧かったです。出切れると思って踏んだけど、そのままコーナーに入ってしまって負けたって思ったら後ろが空いてたので入りました。番手に入ったあと余裕はありましたけど、取鳥君も踏み直していましたし、最後も久々に内、外いかれる感じで体が固まった。(2日目に)ギアを換えてから違和感(スカスカするような感じ)はしなかったですね。でもやっぱり(海外遠征中は)レースを見ていなかったですし、若い子がどんなレースをするのかわからなかった。(ダービーに向けて)もう一度練習してしっかりと作り直します」
着外に沈んだ取鳥だが大いに見せ場を作り会場を沸かせた。
「3着に残りたかったですけど、もう一杯でした。先行するのは自分だけだと思っていたし、渡邉さんがきたけどここで引いたら意味がないと。もう行ってやれって感じで踏みました。番手に入られてしまったけど、緩めたら来られてしまうので。(結果的に離れた)黒田さんがしっかりついてきていると思って駆けたら少し踏み過ぎました。でも収穫はあったので。また頑張ります」