検車場レポート
山田 英明 佐賀 89期 |
青板の2コーナーから稲垣裕之が動くと、前受けの深谷知広はすんなり下げる。稲垣が別線の動向を確認しながらペースを握る。3番手に山田英明が入り、地元の郡司浩平は5番手。早めに8番手まで引いた深谷は、打鐘手前から車間を詰める勢いでフルアクセルで踏み込む。逃げる稲垣を最終2コーナーで深谷がとらえるが、山田がさかさずまくりを放つ。2センターで深谷に張られても山田のスピードは衰えず、先頭でゴールを駆け抜けた。
「桑原(大志)さんは最近、迷惑を掛けていたんで、2人で決めたかった。自分も勝つために練習をやっているし、結果を出したいと思って走っている。深谷に並べれば勝てると。そしたら(深谷が)普段やらないような動きをした。ビックリしました。初日を見ているとみんな仕上がっているし強い。(4日目の「ゴールデンレーサー賞」に勝ち上がっても)油断してはいけない。僕もそういう風(強い人たち)になりたいんで」
山田の動きに遅れることなく反応した桑原大志は、直線で山田を半車輪差まで追い詰めた2着。
「恵まれすぎですね。(深谷が)掛かっていたと思うけど、それでも(山田は)行くんだって。(愛知勢に)スイッチしてすぐに(まくって)行くんだからすごい。自分は連結だけはなんとかと。(山田を)ひとり旅にさせて、ズブズブになってしまったら申し訳ない。必死でしたよ」
まくった山田ラインを追った郡司浩平は、落車のアクシデントを大きく外に膨れて回避。そこから直線で迫るも、前の2人をとらえることはできなかった。
「作戦的には切って3番手を狙うとかもあったし、ここっていうところでカマシっていうのも考えていた。後ろに付いてくれた2人には申し訳ない。ワガママなレースになっちゃった。山田さんも絶対に仕掛けるんで、自分もいつ行こうか悩みどころだった。ワンテンポ遅れました。仕掛けられなかったぶん、ゴールデンレーサー賞では見せ場をつくりたい」
椎木尾拓哉の援護もあったが、深谷に出られた稲垣裕之は積極策も7着に沈んだ。
「深谷君が強かった。来たのが見えた時にはもう(深谷が)スピードに乗っていた。自分がもうちょっと早めにピッチを上げるべきでした」