検車場レポート
松浦 悠士 広島 98期 |
第61代の競輪王に輝いたのは松浦悠士だった。レースは赤板前から吉田拓矢が一気に踏み上げる。突っ張り気味に踏んで飛びついた清水裕友が平原康多をさばいて番手を奪う。すかさずまくり上げた清水に続いた松浦が車間を切ってから追い込んで逆転。初のGIタイトルを手にした。
「まだ実感はないですけど、GIタイトルは狙って獲れるものではないし、本当にうれしいです。ラインの勝利だと思ってます。清水君が頑張ってくれました。清水君が出てから諸橋(愛)さんが後ろだと分かったので、ギリギリまで待ってから踏みました。本当にいろんな人の支えがあって獲れたので、感謝しています。グランプリに向けてしっかり練習します」
清水裕友にとっては作戦どおりの組み立て。平原康多を飛ばして2コーナーまくりを打ったが、惜しくも初タイトルはならなかった。
「2分戦だったので突っ張って、(吉田が)無理やり来たらハコ。引いたらないんでね。取り切ってすかさず行ったけど、ゴール前はいっぱいだったですね。4コーナーで気配がなかったんで、夢見たけど。悔しいのもあるけど、ラインで決まったので言うことない。グランプリは獲れるように末脚の練習しときます」
グランプリ出場には優勝するしかなかった諸橋愛にとっては厳しいレースになった。柏野智典をキメて清水、松浦の3番手に付けたが3着が精いっぱいだった。
「(イン粘りは)想定外でしたね。半分もなかった。いや10パーセント以下かな。考えが甘かった。拓矢も頭になかったんでしょうね。だからガツンと踏まなかった。もうその後は必死でした。康多も浮いたんで。3着に入るのが精いっぱいでした」