4月6日からの松阪ミッドナイトも1・2班戦、チャレンジの9R制。ミッドナイトで新人が続々と本格デビューしてくる。
　1・2班戦は混戦模様だが、6月大垣ミッドナイトを完全優勝した加藤寛治と光岡義洋の愛知勢に、谷口明正、萩原操の地元の三重師弟コンビとメンバーがそろった中部勢がV争いをリードしていく。
　対するは近畿勢で、追加参戦の清水剛志にS降りの小林卓人が続いてラインを形成しよう。5月の失格からリズムを乱して近況は一息だが、期が変わって心機一転となるか。機動力では抜けた存在だけに、今年初Vがあってもいい。
　一方、石井毅ら南関勢は期同型不足で厳しい。

　このシリーズで最も注目なのは地元の谷口だ。前期に3年半ぶりの降級。1月京王閣で準Vと序盤はらしさを発揮していたが、2月奈良の落車で大きく狂った。右肩鎖関節脱臼、右肋骨骨折に、開催休止も重なって3カ月の欠場。復帰2場所は勝ち上がれなかったが、“復帰後は早めに動くようにしている”のが功を奏して6月大垣ミッドナイトでしぶとく決勝進出を果たすと、続く同月福井では完全優勝を達成してみせた。決勝は売り出し中の脇本勇をまくりでねじ伏せており、最後まで粘り強く踏める強地脚が武器という持ち味が良く出ていた。今開催は1・2班戦最年長優勝記録を更新したばかりの師匠の萩原操と同あっせんとあっては奮起しない訳にはいかない。師匠と一緒に松阪の夜を盛り上げる。

　前記の通り、チャレンジは、小坂元雄斗、渡邉雅也、橋本優己、倉田紘希、貴志修己、溝口葵の6名がここから本格デビューを果たす。実戦でどれだけ成長した姿を見せられるか楽しみだが、現時点で最注目なのは渡邉だ。ダービー、高松宮記念杯を制し、南関を代表するマーカーとして長年活躍する晴智（73期）を父に持つ2世レーサー。“まだ弱いんで、人のスピードを貰ってのまくり、追い込みが得意”と、養成所の競走訓練はまくり、差しでの勝負に徹していたが、11勝して在所順位も11位とまずまずの健闘だった。
　「練習環境も恵まれているし、卒業してからはダッシュが一番、強化できたと思います。持久力もある方だと思うので、その辺を意識して走ります」
　その言葉に違わず、ルーキーシリーズも5月小倉、6月伊東を走ってともに決勝進出の活躍で、伊東の予選1ではバックまくりで、今回も顔が合う橋本らに圧勝していた。
　体格的にも小柄で、今後も長い距離を踏んでの先行、先行で勝負していくことはなさそうだが、親の名に負けず切れのある走りで初戦から結果を出す。

• 選手詳細データ

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  谷口明正 選手三重・103期
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  渡邉雅也 選手静岡・117期