強力南関勢を襲う伊東翔貴 ~川崎ミッドナイト~

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伊東翔貴
7車立てのレースがマッチ
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藤野竜也
絶好の初Vチャンスに奮起

 3月28日からの川崎ミッドナイトは、地元のベテランン眞原健一がV獲りに闘志を燃やす。眞原は差し脚が切れている上に、今年に入って流れも良くて3Vをマークする大活躍ぶりだ。積極的な自力戦で今年2Vなど好走を重ねる原田亮、売り出し中の新鋭・渡辺雅也とラインの好目標があるここも結果を出せる。
 伊東翔貴が南関勢に襲い掛かる。前期S級でも毎場所コンスタントに連対していた実力者は、降級後も順当に白星を量産している。ここまで優勝は1月静岡の1回だけながら、ほとんど確定板を外さない安定感は際立っている。仕掛けのタイミングが適切なら逆転は十分。

 ラインの総合力では南関勢だが、伊東の動向からも目を離すわけにはいかない。昨年は1年間S級で走って前期は大きい着が目立ったものの、“7車立てはサラ脚でドカンっていける”と持ち前の高いトップスピードを生かせる現在のレース形態がマッチして後期は予般戦を中心に連対ラッシュだった。いい流れのまま迎えた今期も“A級なら内容のある走りで勝たないと意味がない”と格上の存在感を披露。2月立川から使う“一緒に練習もするし、アドバイスも貰っている”山崎芳仁と同じサイズで作ったフレースもマッチしていて迫力は増す一方だ。以前はまくりのイメージが強かったのが先行回数がグンと増えたのも威圧感に繋がっている。タイミングを逃さぬ仕掛けで強敵を蹴散らしてしまうか。

 チャレンジは傑出者不在の大混戦。Vの行方は混とんとしているが、藤野竜也にとって初優勝の絶好のチャンスだろう。落車の影響もあって、優参も散発的な状況だが、他の主力勢も大差ない。「8月和歌山の落車で左鎖骨と肩甲骨を骨折。2カ月ぐらい入院してました。だいぶ良くなってはきたけど、まだちょっと弱ってる。ダッシュとか落ちてるので。脚にはきてなくても、座ってからが重くて出なかったり。シッティングが苦手なので…」。年頭にこう話し、その後も“力を伝えきれていない。6割くらいかな”と苦戦していたが、腐らず先行主体の競走に徹してきた結果、ここにきて上向いてきた。2月小田原では水森湧の番手戦ながらしっかり続いて準V、3月伊東ミッドナイトも2勝をマークしている。厳しい中でも来期には2班へ上がるし、ライバル手薄なシリーズでしっかり巻き返していきたい。

権田浩一記者

2021年3月27日 23時06分

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