勢い止まらぬ伊東翔貴 ~前橋ミッドナイト~

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伊東翔貴
目下3連続優勝中
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佐藤健太
キレも自信も戻った

 4月22日に開幕する前橋ミッドナイトは、各地に強豪がそろったが、伊東翔貴がVには最短だろう。ガツンと踏んで決められる7車立てのレースがマッチした前期S級から白星を量産。降級の今期はほとんど確定板を外さない格上の走りを披露。目下、3月川崎、4月平、弥彦ミッドナイトと3連覇中で今期はここまで4V。ダッシュを生かした仕掛けは当所向きでもあるし、人気を集める存在となろう。
 点数最上位は佐々木龍だが、3月松戸で落車した影響で、復帰戦の4月函館の動きはまだ多少重かった。それまでは降級6場所で4Vと圧倒的な強さを見せていただけに、短期間で完調まで持ってこられるかはVの行方を大きく左右する。ただ、函館の佐々木はまくりを決めて準Vと戦える脚ではあったし、南関勢は柏木伸介がタテ脚好調とあって十分勝負になる。前走の4月弥彦ミッドナイトでは連勝で勝ち上がって節目の300勝を飾っている。
 期待の新鋭・山本勝利が欠場となり、岸澤賢太は総力戦で臨む事になりそう。ただ、岸澤はA級では実力上位の走りを見せていて、3月小倉、4月宇都宮を連覇している。宇都宮の決勝では6番手まくりで横関裕らを一蹴とタテ脚健在な岸澤に、牛山貴広、宮内善光が加勢なら強力なラインも完成する。

 伊東の勢いは止まりそうにない。直前の4月弥彦ミッドナイトは単騎戦で、展開的に勝負所で外に浮く絶体絶命の態勢になりながら、粘り強くまくっていって勝ってしまうのだからモノが違う。勢いを駆って4連覇に挑む。
 「(弥彦は)初日に勝てなかったのが悔しかったけど優勝が獲れてよかった。3連覇はたまたまです。決勝は単騎になのに人気になってプレッシャーでした。(決勝は先行した関根)健太郎の3番手にいようと思っていたけど、伊レギュラーな形になってしまって苦しかったですね。引き続き1着を目指して頑張るだけです」
 ここも強烈なタテ攻撃で敵をなぎ倒す。

 チャレンジは、機動力上位の存在である鈴木玄人が3月平塚から1カ月余り欠場が続いていただけに、やや不安の残る状況だ。代わって注目したいのが蘇った佐藤健太。突如のスランプに陥り、S級からチャレンジに陥落する屈辱も味わったが、昨年11月に福岡に戻ると気配が一変した。チャレンジとは言っても実力的に1・2班戦中堅以上の実力を持つ117期勢を相手にして8場所連続で優参し、V1、準V2回、決勝3着3回は見事というしかない。持ち味の強烈ダッシュを生かした変幻自在な攻めが持ち味で、最終的に好位キープから鋭脚を繰り出してくる。“福岡に帰ってS級に上がった頃の練習に戻した。(一時は)何をやっても駄目だったが、メンタル面はもう大丈夫。あとは上がっていくだけ”。チャンスのシリーズ。自力も用意しているが、優勝した3月武雄決勝でも連係した松本一志と同乗なら番手で仕事をして抜け出してこよう。

権田浩一記者

2021年4月22日 15時09分

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