Ｓ班の松浦悠士を封じて堂々の逃げ切り勝ち

　3月6日（日）に名古屋競輪場で行われた開場72周年記念『金鯱賞争奪戦』は眞杉匠（栃木・113期）が圧巻の逃走劇を披露して自身初の記念制覇を達成。準決勝に続いて連係した阿部力也の差し込みを許すことなく力強く押し切った。
　正攻法に構えた眞杉匠は渡邉雄太の動きを見ながら赤板過ぎにゆっくりと車を下げる。松浦悠士が中団へと追い上げると、眞杉が打鐘付近から車を外に持ち出して一気のカマシを敢行。松浦悠士が中団へと追い上げた勢いそのままにまくり上げたが、番手の阿部力也がブロック。最終4コーナーから直線にかけて3名が落車するアクシデントに見舞われたが、力の限り踏み続けた眞杉がそのままゴール線を駆け抜けた。
　「車番が悪かったので、前か後ろなら前が良かったので。先行争いにはならないと思っていたので。3人で出切れたのはわかったのでそこから自分のペースで行けました。ホームからは一回も後ろをみていないですね。昨日と変わらず同じようなレースでしたし。ゴール前で接触したのが聞こえて、あれ俺じゃないよなって。優勝は俺でいいのかなって。優勝は決定発表があるまでわからなかったですね」
　今シリーズは初日からＳ班２名を相手に大活躍。準決で清水裕友を封じて決勝へと駒を進めると、勢いそのままに松浦悠士も見事に破って見せた。
　「今回からギア板を変えたらスピードに乗ってからが軽いですね。スピードが上がるまでは引っかかる感じなんですけどレースではいいので。いい流れでウィナーズカップを迎えられますね。（記念優勝は）嬉しいですね。やっと坂井さん達に追いつけました。ウィナーズで一緒に連係できるように頑張ります」
　次走は待ちに待ったウィナーズカップ。今シリーズで確かな手応えをつかみ、地元の特別競輪でも存在感を示す。
　3/4車身届かずに2着の阿部力也は悔しさを噛み締める。
「悔しい…。嬉しいけど悔しいですね。なんか悔しい4日間でした。特に今日が一番。絶対に抜くぞって意気込んで走ったんですけど。昨日よりもカカリが良かったですね。松浦さんの影が見えたので、横にきたら止めようと思っていました。3人でゴール前勝負できたのは良かったです。いやゴール前勝負はできていないか…。4コーナーからまた加速していったので。何もかも足りないですね。ついて行くのはできていますけど、後ろで仕事をしてゴール前勝負となるとまだまだですね。1月の落車続きだった頃と比べれば良くなっていますけど、しっかり練習して底上げできるように」
　3着にはライン3番手を固めていた伏見俊昭が入線。改めて眞杉の強さを痛感した。
「本当に強いっすね。昨日もそうでしたけど。それでも松浦君は来るんだって。降りてこようとしていたのでそこは凌がないとって思って。ちょっと落車があったんですけど、3人で決まって良かったですね。自分の状態は日増しに良くなってきているので。昨日よりも付いていて楽でしたし。落車でちょっと怯んでバック踏んだんですけど良かったです」
　

• 選手詳細データ

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  眞杉匠 選手栃木・113期