黒沢征治が青龍賞に進出 ~岸和田競輪場~

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黒沢征治
青龍賞は5車の北日本勢にどう立ち向かう
近況の充実ぶりがキラリ

 リニューアルされた岸和田競輪場で6月17日に始まった「第72回高松宮記念杯競輪(G1)」は、東西に分かれて熱戦が展開された。伝統の東西対抗戦は、一次予選の1着選手にも準決にフリーパス(失格以外)で進出できる、“宮杯”ならではの勝ち上がりシステム。
 昨年G1デビューを果たし、今シリーズが通算6度目のG1挑戦になる黒沢征治(埼玉・113期)が、東日本一次予選の8レースでそのチャンスをつかみ取った。
 「最悪の流れで後ろにすごく迷惑を掛けてしまった。内藤(秀久)さんのあおりとかで、怯んだのは反省点です。余裕はあったんで、あとは詰まったところで(仕掛けて)行こうと。踏み出しのところで踏んじゃって、イメージ通りじゃなかったけど、バックで流れました」
 直近の3場所はF1を9戦8勝、2着1回の準パーフェクトの成績で大一番に乗り込んできた。その勢いのまま、一次予選をまくりで後続をちぎった黒沢だが、主導権を奪われた内容には反省しきり。だが、それ以上に収穫もあった。
 「そうですよね、あの勝ち方はいままではできなかった。今年の初めから力を抜くことを意識してやってきた。それで2カ月くらい前から身体の連動性を高めるトレーニングを始めた。力んでダメになっていることがすごく多くて、レースでも(力を抜くことが)できるようになってきた」
 手応えを感じる黒沢は、18日の2日目に東日本のメイン、12レースの青龍賞で5車で結束する北日本勢と激突する。吉田拓矢、同県の宿口陽一と3車のラインができあがった黒沢の走りが、鍵を握っていることは言うまでもない。
 「(2日目の青龍賞は)意識しなかったけど、(1着は)すごくうれしい。(青龍賞は)もっと気持ちを出して、自分らしさを出したい。みなさん強いので、関東の先頭で力を出し切るだけです。今回は平原(康多)さんがいないので、平原さんの前では走れないですけど…」
 練習中の怪我で急きょ欠場を余儀なくされた平原が不在のG1シリーズ。ファンだけなく、画面を通して平原にも、成長した勇姿を見せたい。その思いは黒沢だけでなく、吉田、宿口も同じ気持ちだろう。
 「平原さんがいないG1なんて、いままで経験したことがなかった。もちろんわかってはいたことですけど、改めて存在感というか、大黒柱がいないっていうのはこういうことかと」とは、宿口。
 関東を背負い続けてきた平原がいない時だからこそ、なおさら3人の結束力を強固にして関東勢の意地をみせたい。

竹内祥郎記者

2021年6月17日 20時33分

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