S班宿口陽一が今年初勝利を手に準決勝へ進出 ~奈良競輪場~

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宿口陽一
ようやくつかみ取った白星を手に準決勝に臨む
重圧に耐えながらようやくつかみとった勝利

 2月11日(金)に奈良競輪場で行われた開設71周年記念『春日賞争奪戦』のシリーズ2日目の11レースで今年からS班の仲間入りを果たした宿口陽一(91期・埼玉)がようやく今年初勝利を挙げた。S班というプレッシャーからか地元の大宮記念ではまさかの未勝利。続く高松記念も未勝利まま決勝進出を逃していたが、同じくS班の平原康多のアドバイスをきっかけに結果を出した。
 「正直、このままずっと勝てないかなって思っていましたけど、やっと勝てました。佐々木(悠葵)君のおかげですね。大宮記念でも不甲斐なくて、そのあとも全然ダメで…。メンタル的にかなり削られていましたね。寝ていてもすぐに目が覚めちゃうくらいで、そのあと眠れなくて起きているとずっと同じことを考えちゃって苦しかったですね。練習はかわらずしっかりやっているのに、勝ち方を忘れたというか、完全に負け癖が付いちゃった感じで、なかなか抜け出せなかった。それで前回が終わってから平原さんと色々と話をさせてもらって。今の自分の想いを伝えたんですけど、〝S班とはなんぞや〟っていうことを教わりました。『赤パンをはいたらどんな状況に置かれてもそれを打破するのがS班』だって。『今までの宿口だったら今のままでいいかもしれないけど、S班っていうのは違う』って言われました。そして『もっと悩め』って。深いっすよね。自分はまだまだですけどそこを目指していけるように」
 
 今シリーズから復帰した脇本雄太(94期・福井)の存在もプラスに働いた。誰にでも的確にナショナルの経験から得た知識や技術を惜しみなく伝えてくれる脇本のアドバイスが流れを変えた。
 「平原さんと脇本君の関係性があるから、今回ちょっと話をさせてもらいました。その関係性がなかったら自分からは話かけられていなかったと思います。ハンドル周りのセッティングのアドバイスを貰って2日目から格段に良くなりましたね。それがなければ勝てていなかったと思います。やっぱり世界で戦ってきた人は違いますね。脇本君や平原さんだったり超一流のアドバイスをしっかり聞いて自分のものにできるようにしていきたい」
 
 シリーズの正念場となる準決は初日特選でも連係している吉田拓矢(107期・茨城)と再びタッグ。初日に番手を回って見えてきた課題をしっかりとクリアして決勝への切符をつかみ取る。

細川和輝記者

2022年2月11日 18時45分

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