宿口陽一が急場をしのぐ ~富山競輪場~

photo-48169
宿口陽一
準決は埼玉3車ラインの先頭
まさかの展開も伸びは目立った

 富山競輪場で開催されている開設71周年記念「瑞峰立山賞争奪戦(G3)」は、8月21日の2日目に二次予選で勝ち上がりが争われた。初日特選では関東勢の先頭で奮闘した宿口陽一(埼玉・91期・SS)は、番手回りの二次予選での厳しい展開をなんとか3着で準決に進んだ。

 「今日しのげたのはデカいですね」
 S級S班としては受けて立つ立場。二次予選での敗退は許されないが、いまの宿口にとっては率直な思いだろう。こう言って息を吸い込んだ。
 二次予選は竹内雄作の後ろがもつれて、流れは関東勢に向いた。打鐘の3コーナーで佐々木悠葵が仕掛けて別線をひと飲み。そんなシナリオが途中まではできあがっていたが、あろうことか佐々木は最終ホームで4番手に入る。後ろの宿口は笠松信幸と併走になり、2コーナーでは外にもってこられた。
 「あそこで入ったのは謎ですね。(佐々木は)いいペースで踏んでいたんですけど…」
 苦肉の策でまくりに転じた宿口を待ち受けていたのは、3番手にいた瓜生崇智の強烈なブロックだった。
 「ああなってしまったんで、(自分で踏むのを)ちょっと待てなかった。瓜生君も(けん制に)来るだろうとは思っていた」
 瓜生を乗り越えた宿口は、直線で立て直して3着。脚力を消耗しながらもラストの伸びは目を引いた。
 「昨日(初日特選のあとに)、平原(康多)さんにアドバイスをいただいた。それで(セッティングを)変えた。そっちの方がいいのかと。神のお告げをいただきました(笑)」
 前回の地元、オールスターでも平原、吉田拓矢の助言で方向性を見出したが、二次予選ではさらなる変化をもたらした。
 「平原さんが連係して思ったところを自分に。大事な局面でどうしても遅れたりするので、平原さんよりのセッティングにした。もうちょっと微調整が必要だけど、乗った感じは良かった」
 周囲の助けで光が差した宿口の3日目、準決は10レース。久木原洋、岡光良との同県ラインができあがった。「誰かが(決勝に)乗れるように頑張ります」。若きチャレンジャーのようなコメントで締めくくった宿口に、S級S班の気負いはない。

竹内祥郎記者

2022年8月21日 19時55分

開催情報

ページトップへ