平原啓多がS級初勝利 ~小田原記念~

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平原啓多
1着ポーズで記念撮影
苦節12年でつかんだ1勝

 小田原競輪場開設73周年記念『北条早雲杯争奪戦』初日8レースで、平原啓多(埼玉・97期)がS級初勝利を収めた。

 平原は前を磯川勝裕(東京・113期)に任せ、後位を同県の安部達也(埼玉・83期)が固める布陣でレースに臨んだ。青板バック過ぎ2センターから磯川が主導権を握る流れ。中団から岡崎智哉が最終バックでまくりを放つ。けん制した外を一瞬岡崎に出られた平原だったが、返す刀で車を持ち出し、内から盛り返して岡崎を合わせ切る。大外を伸びた山田久徳の強襲もこらえて1着をつかんだ。
 「格上の安部さんが番手を譲ってくれたんで頑張ろうと。結果、(ラインでは)僕だけになって、そこは心残りです。ジャンで安部さんがからまれているのがわかった。岡崎君がすごいスピードでまくってきたんで、振って戻った時に磯川君に差し込んだ。それでそのまま踏ませてもらった。磯川君にも悪いことをした。勝ち上がれたのはうれしいけど、僕の力で勝ち上がれたわけじゃない」
 2010年にデビューしてから12年がたち、今期初めてS級に昇格し、もちろん初めての記念参戦。本音を包み隠さずこう語る。
 「周りからは、S級もA級の上位もそんなに変わらないって言われてきたけど、S級を走ってみて、『全然違うじゃねーかよ』って(笑)。自力が強いのはもちろんそうなんですけど、S級は追い込みも強い。追いこみも隙がないから、俺が隙になっちゃう。今回で言えば、(武藤)龍生とか、良い追いこみの先生がいるから、勉強していきたい」
 終始遠慮気味に話した平原だが「でも、これでKEIRIN.JPのプロフィールに、S級初勝利が記録される。歴史を作りましたね」と、最後はちょっぴり自慢げに締めくくった。

熊谷洋祐記者

2022年8月25日 14時35分

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