石井貴子が復活のGⅠ優勝 ~岸和田競輪場~

photo-84213
石井貴子
復活の優勝をつかむ
photo-84214
先行した②奥井迪を⑦石井貴子が交わす
大怪我を乗り越えてつかんだ優勝

 6月13日、岸和田競輪場で第2回パールカップの決勝が行われ、奥井迪の先行を追った石井貴子(千葉)が交わしてGⅠ初優勝。石井は21年に京王閣競輪場で行われたガールズケイリンコレクションで落車し大怪我を負った。そこからカムバックして昨年新設されたGⅠには今回が初めての参加。復活を印象づける優勝を飾った。

 号砲が鳴り吉村早耶香が周囲の様子を確認しながら誘導との距離を徐々に詰めるように追いかけていく。すると外から山原さくらが上昇して誘導の後ろに入る。吉村の後ろは尾崎睦-當銘直美-奥井迪-石井貴子の順番に並び、柳原真緒は當銘の外で併走になり周回を重ねる。打鐘で誘導が外れると、先頭の山原が押し出されるように徐々にペースを上げていくが奥井が4コーナーのくだりから猛スパート。奥井は1コーナーで前団をとらえ、最終バックを先頭で通過。追走したのは初手から追っていた石井。石井は4コーナーから外に持ち出して奥井を交わした。
 「信じられなくて、何回も(頬を)つねっているんですけど、ちょっと痛いので(夢ではなくて)大丈夫そうです(笑い)。(スタート位置は)ただ、ただ、恵まれました。7番車でのスタートなので、7番手と思いながらでしたが、まさか奥井選手の後ろになるとは。後方だったので、比較的、早めにレースが動くと思いながら、自分の持ち場でしっかりとって。併走になったり、ごちゃごちゃしても勝負権のあるところは渡さないと思っていました。1コーナーで3車併走になって接触したような感じもあったけど(奥井の後ろを)取りきれて良かったです。必死だったので、(ゴール後は)差せていてほしいなとビジョンを見ました。私を映してくれているな、と(ゴール後の)3コーナーを回っていました。(大怪我を経験して)骨が折れても、くっつくので大丈夫ですけど、心が折れてしまって、走れないと思った日もある。また、こんな日がくるなんて信じられないです。(競輪の神様はいましたか?)私が聞きたいです。(GP出場を決めたが)G1の出場が初めてで、ここでグランプリのことを聞かれることはなかったので、過ごし方は違うと思う。ケガして今日までに大きな目標を立てるよりも、その日できることを精一杯に、がテーマ。その先もちょっとずつやっていければいいなと。足りないこと、できないこともたくさんあるし、ちょっと前より今できることをどうしたらいいかを考えながらやっています」

小山裕哉記者

2024年6月13日 19時12分

開催情報

ページトップへ