• 静岡競輪場4/30〜5/5

日本選手権

GP王者の浅井康がV戦線リード

浅井康太

浅井康太

新田祐大

新田祐大

村上義弘

村上義弘

  •  あの興奮を再び―。3月開催された名古屋に続き、今年2度目のダービー「第70回日本選手権(G1)」が、静岡競輪場で4月30日に“ゴールデンウィーク決戦”の火ぶたを切って落とす。また、ダービーシリーズの3日目にはガールズケイリンコレクションが一発勝負で行われる。

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インタビュー

  • 稲垣
  • 裕之
  • 村上義のVで力をもらう

  •  全日本選抜の落車で右鎖骨を骨折し、1カ月実戦を離れたものの、「2回目なので思ったより痛みはなかったし、プレートを入れて自転車にすぐに乗れました」と練習を再開。大事をとって名古屋ダービーを欠場したが、今回からG1戦線へ復帰だ。
     「不安要素がある中でG1を走るのはと考えて名古屋は欠場しました。でも練習では1番良いときに戻ってます。ただ実戦となると別で、脚力、判断はまだまだ。流れのなかで出し切れてない。でも、走るごとに良くなっているので、本番までに戻せると思います」。
     その名古屋では既報の通り、村上義弘が4度目のダービー制覇。さらに近畿勢の勢いが増す。「次は自分も」と稲垣も今回ばかりは普段以上に力が入る。
     「村上さんをはじめ、近畿勢の気持ちが入った走りを見て僕も力をもらったので。これから静岡に向けて調子を上げていきたい。全日本では失格して迷惑をかけたので、その分もダービーでは頑張らないと」

  • 山崎
  • 芳仁
  • 4人目の快挙へ2度目の挑戦

  •  それは3年ぶりのS級S班としての責任感だった。「真面目に練習しようと思って、1月から練習量を増やした」。1日で100キロ以上乗り込むなど年明けから真摯に練習に取り組んだが、その思いとは裏腹に結果が出ない。「逆に疲れて、競走以前に体が重かった」。ここまでの3カ月を山崎はこう振り返った。
     「若い頃はオーバーワークで入っても後半になれば疲れが抜けてた。やんなきゃと思って練習したけど、ちょっとやり過ぎてました。松山記念は1週間前から抜いたら走る前から体が軽かった」
     松山記念ではようやく今年初優出。脇本雄太の逃げを豪快にまくるなど初日から動きが違った。過ぎたるは及ばざるが如し。それを痛感した3カ月だった。
     「いい経験になったし、乗り込んだ成果は出ると信じたいですね。今の脚じゃ何とも言えないけどチャンスはある。北日本勢はみんな賞金で上位にいるし、僕もそこに食い込みたいですね」
     自然体で臨む今年2度目のダービー。勝てばもちろんグランドスラムだ。

  • 浅井
  • 康太
  • 一戦一戦、自分のスタイルで

  •  グランプリ王者としてのプライドと責任感が、浅井という男を一段と上のレベルへと引き上げている。今年はG1でこそ決勝へ進めていないものの、パフォーマンスは圧巻。3月松山記念決勝では単騎も何の、村上義弘、平原康多らを相手に完全V。だがその裏ではアクシデントが。
     「結果を残せてホッとしています。初日の選手紹介のあとギックリ腰になって。その中で無理矢理走ってました。まあ結果を出したから言えることなんですけど。調子が上がってくると、動き過ぎてやってしまう。コンディションが最悪でも、その中で修正することを取り組んできた」
     怪我を言い訳にはしないと考えていた。それも王者であるがゆえ。ギリギリの状態でやっているのはどの選手も同じと。どんな状況でもぶれない信念をもって、やれることをやっていく。
     「まあこれからもダービーに向けてって言うより、一戦一戦自分のレースをして勝つ確率が高められれば。G1でも勝つ確率を高めることが今自分にできること。先行を含めた自分のスタイルでこれからもやっていきたい」

  • 平原
  • 康多
  • 序盤戦の悔しさをぶつける

  •  名古屋ダービー準決勝の落車は幸い軽傷。それでも「練習をやれるけど、やっちゃうとバランスを崩しやすい。難しいですね。考えながら修正しないと悪循環になってしまうから」。目に見えない影響は残っているようだ。松山記念ではそんな影響を全く感じさせない走り。決勝戦でも「今日が一番(自転車と体が)マッチした」と話していたが、「あくまで開催中の話。まだまだです」と平原の求めているところはさらに上にある。
     「ダービーまでは川崎記念、西武園記念もあってレースだらけ。走りながらやっていくしかないし、そういう状況で上積みがどれだけできるかですね」
     ダービーに向けては走りながら実戦の感覚やバランスを取り戻していくことになりそう。焦りは悪循環を生むが、「経験もあるので」と平原は胸を張る。
     今年は全日本選抜で失格、ダービーでは落車とG1で結果を残せていないが「情けない負け方はしていない。ダービーも優勝を目指して頑張りたい」とキッパリ。序盤のうっ憤をここで一気に晴らしたい。

  • 渡邉
  • 晴智
  • 妥協することなく臨む

  •  2月地元静岡記念では準決勝で落車。3月ダービーは「あと何回かしか走れないし、どうしても走りたい気持ちで」と強行出場したが、ケガの影響もあって悔しい結果に。しかし、続く平塚では自身を鼓舞して準Ⅴと、周囲の不安を一蹴してみせた。
     「静岡の落車で首を痛めてしまいました。でも、ダービーまでには治っていると思います。平塚は(和田)真久留が気持ちの入ったレースをしてくれましたね。3番手の(鈴木)誠さんの存在も大きかったです」
     崩れかけたリズムを自ら引き寄せた。そして大事な地元ビッグへの準備に余念はない。
     「(静岡)ダービーまで気を緩めることはない。一日、一日妥協することなく過ごしています。平塚でも抜けていないですけど、練習をしているからこそ準Ⅴにもつながったと思う」
     自身だけではなく、「一人でも準決以上にいかせて、あの雰囲気を味あわせたい」と仲間達への想いも忘れない。いぶし銀の戦いに南関勢のボルテージも上がる。

  • 武田
  • 豊樹
  • ようやく兆しが見えた

  •  満身創痍の状態でもこれまで結果を残してきた武田だが、今年は初戦の和歌山記念の落車を機に、G1戦線はおろか、記念開催でも困難な状況が続く。
     「なぜか今年は厳しい流れが続いてますね。でも、和歌山の落車より、この時期になると毎年ぜんそくが出るので、それもありますね。自分のどこに原因があるのは分かってるので」
     全日本選抜、名古屋ダービーと、ここまでは精彩を欠く場面も多かったが、直後の玉野では疲労の限界のなか久々に記念優出。そこは調整能力に長けたトップ選手だけに、いつまでも燻ってはいられない。「グランプリ以降はピリッとしなかったけど、玉野は中身のあるシリーズにしたかったし、ここからという気持ちで。実際、良い緊張感を持って走れたし、調子も良かった。前に踏めてましたね」。
     反撃はここから。全日本、名古屋での悔しさを晴らす。
     「本調子はまだまだだけど、良くなっているので。目の前の1戦1戦に集中して、本番までに戻していく」

  • 村上
  • 義弘
  • あくまで挑戦者の立場で

  •  3月の名古屋日本選手権で頂点に輝いたのは、またしても村上だった。日本選手権最多タイの4回目の優勝。偉業を成し得て、感慨もひとしおだった。
     「日本選手権っていうレースは競輪選手にとって、大きな夢の一つだと思うので。それをまたこのタイトルを獲ることができて本当に光栄に思っています」
     それを支えたのはまたしてもファンの暖かい声援だった。
     「年々苦しい戦いになる中、やっぱりファンの声援が自分の背中を後押ししてくれていると思います。自分を支えているのは周りの皆さんの応援でしかないと思うので」
     静岡日本選手権では連覇、そして最多となる5度目の優勝がかかる。それに対し村上の口から出たのは謙虚な言葉。
     「(名古屋)日本選手権は獲りましたけど、まだまだ挑戦する立場だと思っているので。目の前の一戦、一戦を気持ちで頑張るだけです」
     5度目の日本選手権制覇へ向け、あくまで挑戦者とて村上が6日間の激闘へ再び歩を進める。

  • 近藤
  • 隆司
  • 突然の腰痛で先行き不安

  •  この1年で最もブレイクした選手と言っていいだろう。今年2月の全日本選抜ではG1初優出。準決勝は単騎で鮮やかにまくって周囲を驚かせた。
     「準決勝はたまたま流れが向いただけ。まだ力でG1を獲るには足りないところが多いですね。でも、結果が出て、モチベーションは上がっています」
     すべてが順調に進んでいたが、4月に入って突然のアクシデントに見舞われた。
     「(3月の)小倉が終わって、2、3日後の筋トレ中に腰を痛めてしまったんです。腰痛なんて今までなかったし、こんなのは初めてですね。レントゲンを撮ったりしてるけど、まだはっきり分からなくて…。周回練習ぐらいはできるけど、今はまだもがけない。それで福井F1は欠場したし、これからが不安ですね」
     今後は腰の状態を見ながら静岡ダービーに向けて、慎重に調整を進めていく。
     「腰のことでちょっとモヤモヤした気持ちだけど、治ったらしっかり練習したい。地元地区のG1だし、決勝に乗れるように頑張ります」

  • 新田
  • 祐大
  • 2年連続Vへ準備は万端

  •  名古屋ダービーは後一歩で連覇ならず。しかし、中4日で挑んだ玉野記念では、武田豊樹らを破って今年初Ⅴと改めてその実力を誇示した。
     「(名古屋ダービーは)普通に力を出し切れました。近畿の結束に自分が単体で戦って勝てなかったです。ダービーが終わってひと段落と言うより、(玉野は)名古屋の延長線上だと思って臨めました」
     玉野から一カ月後には今年2度目のダービーが開催される。急ピッチでの調整が求められるが、全日本での経験を生かし、綿密にスケジュールを組み立てる。
     「静岡(ダービー)に向けては、玉野が終わってから調整します。1カ月で仕上げていきたい。(ビッグ目前の)川崎記念でもダービーに向けていろいろやっていきたいです」
     その川崎はⅤこそ逃すも、自慢のスピードに陰りはなかった。大舞台へ準備は万端。今度こそ2年連続でのダービー制覇を狙う。
     「勝ち上がりの段階から難しいけど、まずは決勝に乗って優勝を目指したい」

  • 園田
  • 勝てる感覚は戻った

  •  S級S班として迎えた2016年も4カ月が経った。ここまで決して満足のいく成績を残せてはいないが、徐々にそのプレッシャーには慣れてきた。
     「今は気負いなく走れてる。SSの期待はあるだろうけど、他の人と違って毎回勝つっていうのは自分には無理。ただチャンスが来れば獲れるようには準備してます」
     先月末に参加した日韓競輪では「ラインのないシンプルなタテのレースに刺激をもらった」。結果はともかく自分の持ち味を再認識する開催となった。そして4月からは韓国競輪の選手がグループの練習に参加。「めちゃくちゃ強い。来月からはこないだの日韓競輪のチャンピオンも来る予定」と今は日韓融合した練習環境で脚を磨いている。
     「最近はだいぶ1着が取れるようになってきたし、戦えるかなって感じはある。決勝に乗ればまた獲れそうな気がするので、まずは決勝に乗れるように」
     いかにチャンスを呼び込むか、そして逃さず決めるか。2度目の載冠はその2点に尽きるだろう。

  • 神山
  • 雄一郎
  • 48歳を迎えさらに進化

  •  2月静岡で99回目の記念優勝を達成。自身が持つ記念Vの最年長記録を塗り替え、節目の100勝へ王手をかけた。「状態が良くなってきた」と、ここにきて急上昇している。
     「99回目って聞いて『そうなんだ』って感じだったけどね。100回は何とか今年中に達成したいね。今年は年頭から調子が良くなかったけど、色々と研究して、自転車のことも考えていったらだいぶ上向いてきた」
     ダービー直後の玉野記念は疲れの影響があったが、百戦錬磨の神山にとってそれは修正可能な範囲内。今年2度目のダービーに向け、臨戦態勢に入る。
     「記念もそうだけど、G1になるともっと厳しいからね。玉野では新田(祐大)のダッシュが強烈だったし、今年初めて武田の番手を回って気迫がものすごかった。僕は本気を出さないと付いていけないんでね。結果を出すにはもっと脚を上げていかないと」。今月7日に48歳を迎えた輪界の「レジェンド」。まだまだ進化は止まない。

  • 片寄
  • 雄己
  • 初めて迎える地元G1戦

  •  昨年の競輪祭は898着。散々なG1デビューだった。「これなら裏開催のほうが…」と心折れかけた片寄だが新田康仁に一喝されて目が覚めた。今年はここまでG1にフル参戦し、名古屋ダービーでは桐山敬太郎の逃げに乗ってG1戦初勝利。もうG1戦でも気後れすることはなくなった。
     「全日本選抜でも(渡邉)晴智さんと話をして色々と気持ちの面で勉強になった。松山記念でもあのメンバーで決勝を走れたし、やってたことは間違いじゃないと。競輪祭ではここまでが限界かなと思ったけど、今は自信が持てるようになった」
     4月伊東から新田康仁がレースに復帰した。「新田さんの前で先行して、優勝させるのが夢」と話す片寄が、地元のG1で新田と連係するチャンスがやってきた。
     「一緒に走るのが楽しみですね。一緒に決勝に乗れれば最高です。ここに向けてやることは色々あるし、練習にケア、食事全てに気をつかって。あとはどれだけ負けない気持ちで走れるかだと思う」

ガールズケイリンコレクション

リベンジを誓う小林優

小林優香

小林優香

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