• 静岡競輪場4/30〜5/5


日本選手権 シリーズ展望

GP王者の浅井康がV戦線リード

村上義弘

村上義弘

 全日本選抜、名古屋でのダービーに続いて、今年3度目となるG1シリーズの舞台は静岡。先の名古屋ダービーでは、近畿勢がお家芸ともいえる“ラインの競輪”で他地区を粉砕。番手まくりを放った川村晃司の後ろから村上義弘が追い込み、4度目のダービー王に輝いた。

浅井康太

浅井康太

 一方、中部勢は地元Vの期待がかかっていた深谷知広が、前を委ねた竹内雄作の不発で7着。地元ファンからはため息がこぼれた。また、浅井康太は、柴崎淳と共倒れに終わった全日本選抜に続いて準決敗退。名古屋の準決では平原康多と絡んで、2着入線も失格の憂き目をみた。ラインを重んじる浅井のレーススタイルがG1の正念場で裏目に出た格好だが、名古屋ダービーを挟んで奈良、松山で記念を連覇。自身の動きにはまったく不安がないだけに、昨年のグランプリチャンプが今年3度目のG1でV獲りを結実させよう。深谷は名古屋ダービー後の平塚F1を519着。初日特選は北日本の2段駆けに屈し、決勝では8番手からいまひとつスピードに乗り切れずまさかのシンガリ負け。調子の波が激しく、展開不問でライバルたちをネジ伏せるまでには至ってはいない。しかしながら、一時期の不振からは脱出していて、一昨年以来のタイトル奪取があってもおかしくない。昨年のオールスターで初めてG1ファイナルの舞台を踏んだ竹内は、競輪祭、名古屋ダービーと近況4つのG1で3度の優出。決勝では大きい着順が目立つものの、輪界を代表する先行選手にまで成長を遂げ、中部にとってはなくてはならない存在だ。

新田祐大

新田祐大

 全日本選抜で渡邉一成を初戴冠へと導いた新田祐大は、押しも押されもせぬ北日本のエース。名古屋ダービーの決勝では村上義の猛ブロックも、立て直しての3着で意地を見せた。続く玉野記念を2621着。前団を豪快に飲み込むまくりで今年初優勝を飾った。層の厚い北日本勢ではあるが、ラインができない個の戦いができるのが新田の強みでもある。今シリーズもメンバー構成に応じた走りで、輪界最強の爆発力を誇るエンジンに点火する。念願のタイトルを奪取した渡邉は、競技でもリオ五輪代表が決定し多忙ながらも充実ぶりは目を引いている。全日本選抜では新田の番手から優勝をつかみとった渡邉だが、名古屋ダービーではまくりで2勝をマーク。本来のスピード溢れる機動力も健在だ。この2人にダービーVでグランドスラムが達成される山崎芳仁。機動タイプの持ち味を引き出す術に長けている佐藤慎太郎が加わり、福島勢が中心になり北日本勢をリードする。

 全日本選抜の落車で鎖骨骨折に見舞われた稲垣裕之、世界選出場の脇本雄太を欠いた名古屋ダービーの近畿勢だったが、豊富な機動型がきっちり機能して終わってみればワンツーフィニッシュを果たした。稲垣、脇本の参戦は朗報で、村上義、博幸、稲川翔らはシリーズを有利に進めることができる。いつでもラインの先頭で風を切る準備はしている村上義だが、これだけ機動型がそろえば後輩に前を委ねて名古屋のような大立ち回りを演じよう。連覇で5度目のダービー制覇へと信じる道をひた走る。

 高知記念準決勝でようやく今年初勝利を挙げた武田豊樹、直近の西武園記念3823着が本調子ではなかった平原康多が率いる関東勢もこのまま黙ってはいられない。神山雄一郎を含め歴戦を潜り抜けてきたSS班の3人。底力と勝負への執念で他地区と互角に渡り合う。

 08年に初めてタイトルを手に入れた思い出の地元ダービーの再現へ、渡邉晴智は静かに闘志を燃やしている。力をつけた近藤隆司、郡司浩平らと力を合わせて、地元ファンを沸かせたい。

 原田研太朗、岩津裕介の中四国勢、中川誠一郎、園田匠の九州勢も流れひとつ。

出場予定選手

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