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相性いい大会で決める
8月松戸記念から立て続けに3回の落車。今年も後半戦は厳しい戦いを強いられている。それでも3月ウィナーズカップ優勝のアドバンテージで賞金ランクは7位。5年連続のグランプリ出場へ好位置をキープして最終決戦を迎える。
「ケアに時間は取られるけど、強度を落とさず練習はやれてる。時間が足りないところは経験を生かしてやります。現時点で感じは悪くないし、いい状態でいけると思う」
武田にとって、過去2度の優勝を誇る大会との相性は大きなプラス材料だ。「何なんですかね? 小倉は走りやすいし、競輪祭は僕や平原(康多)が優勝してるいい思い出がある」。今年も順調とはいかない「厳しいシーズン」だった。それでも「最後の最後にご褒美をもらえるように」。強い気持ちを持って、最後まで戦い抜く。
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第60回朝日新聞社杯競輪祭11/20〜11/25
朝日新聞社杯競輪祭
いよいよ今年最終戦
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第60回朝日新聞社杯「競輪祭」が装いも新たに11月20日から開催される。初のナイターG1となり今年からは6日制開催に。前半3日間はガールズグランプリトライアルレースA、Bも組み込まれた。男子、ガールズともに今大会でグランプリ出場メンバーが決まる。
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インタビュー
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力は本物
ビッグ初優出の9月共同通信社杯は、ゴール寸前で平原康多に交わされたものの、見せ場たっぷりの準V。共同通信社杯がフロックではないことを10月の寬仁親王牌で証明して、G1初ファイナルの舞台を踏んだ。トップへの順調な階段を上って、前回の防府で記念初優勝を地元で遂げた。
「今年初めに記念優勝をするって言ったからには、そのくらいの力をつけていないと恥ずかしいと思ってた。これで今年の目標は達成したけど、グランプリにも出たい。チャンスはゼロではないですからね。レースでしっかりと組み立てられているし、動けていると思います。あとは競輪祭で気持ちを引き締めていきたい」
獲得賞金18位までランクアップ。シリーズ最大の惑星としてタイトルを引き寄せる。
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最後まで自分らしく
「残りの1カ月でやれることをやろうと。今はアマチュアの時にみたいに、覚悟を決めた様な気持ちです」
今年は3度のビッグ優出を含め、記念を2V。九州を代表するオールラウンダーとして、その地位を確固たるものにした。「順番に階段を上がってこれたけど、いつ落ちるかわからない怖さはある」。その恐怖心から目を背けずに積み重ねた成果が、夢舞台への距離を近づけた。賞金ランクを上位に付けてGP出場も圏内。それでも、最後まで等身大の自分で戦いに臨む。「賞金で出るって言ったら、たいした選手になれない。G1を獲ってGPに出たいです。しっかり隙がない選手になりたいし、僕にしかできないことをやりたい」。追い求めた理想の先に結果は待っているだろう。それが、小倉の地であることを信じてやまない。
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狂った歯車さえ…
18年一発目のG1、全日本選抜で決勝にコマを進めて幸先のいいスタートを切ると、3月ウィナーズカップ、6月の高松宮記念杯で表彰台。今年の前半に大きく賞金を積み重ねて、このままいけば初のGPチケットがつかめる位置にいる。
「(今年の)前半に比べれば、目に見えないものがあるのか自転車と体がうまく…。選手生活になってから初めてですね、こんなにいじるのは。いままでみたいに自分の力がうまく伝わってない」
10月千葉記念(松戸)着に続く、11月久留米F1を着。まだ狂った歯車を修正できていないようだが、大一番へは最善を尽くす。
「最後、そこ(競輪祭)に向けてしっかりと。あとは全力でやるだけです」
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タイトル争いに加われる手ごたえ
「いつの間にかね」。まさにこの言葉がぴったりだ。今年のG1ファイナルは寬仁親王牌の一度だけ、記念の優勝もない。しかし、記念、F1を休まず走り続けた結果、賞金ランク13位の好位置で今年最後のG1戦を迎えることとなった。しかし、ここへ来て方向転換。「どっちにしても競輪祭が勝負。最後はきっちり仕上がった状態で臨みたい」。10月熊本記念in久留米のあとは追加も断り、最後の勝負へ準備を整えている。
10何年取り組んできた練習を見直したのが1年半前。「2、3年はかかるかなと思っていた」成果は早くも結果に表れた。「もうタイトルは獲れないかなって気持ちだったけど、今はもしかしたらって感じになってる」とG1で戦える手ごたえも感じている。「諦めず、集中して」。最後の大一番へモチベーションは高まるばかりだ。
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大舞台で強さ発揮
今年はビッグレースで優出3回。タイトルに手が届くところまできているが、8月オールスターの決勝は脇本雄との連係が乱れてしまった。
「現状の力では脇本さんに付いていくのは厳しいと思っている。まずは脇本さんにしっかり付いていけるように。付いていって抜く脚がないとG1は獲れない」
10月寬仁親王牌は準決勝で敗退。直後の熊本記念in久留米も決勝進出を逃したが、同月豊橋記念で3場所ぶりの優出を果たした。「親王牌が終わって閃いたことがあったので、セッティングを大幅に換えた。久留米の感触はダメだったけど、そのままのセッティングで豊橋を走ったら悪くなかった」。現在、賞金ランキングは12位。「賞金ランクは気にしてない。ひとつひとつ大事に戦うだけ」。頂点を目指して、全力で走り抜ける。
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記念3VでGP射程圏内に
10月の熊本記念in久留米では鬼気迫る走りで優勝。これが1年間できればすごいことになりそうだが、「あれは1年間もたない。終わってから、すごい疲れた」と中川は苦笑いする。今年の記念優勝は3回。「G1の決勝には1回も乗ってないんですけどね」と言いながらも、賞金ランク14位と競輪祭の結果次第ではグランプリも狙える位置に上げてきた。
「今までは獲らなきゃダメっていう状況でしか競輪祭を走ったことがないから新鮮な感じですね。競輪祭は決勝の着で順位が入れ替わったり、独特の雰囲気。そこに自分が加わってるので。順調にいけば、いい状態で入れそう。何とか頑張らないと」
今年は苦戦したビッグレース。最後の最後で結果を出してグランプリに滑り込むか。
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脇本にリベンジ
G1デビューとなったオールスターでいきなり、その輝きを放って決勝に進出。10年の脇本雄太以来、初G1での優出にスターの誕生を予感させた。続く共同通信社杯では無傷の3連勝で優出。10月の寬仁親王牌では、脇本のまくりに沈んで優出こそ逃したが、そのほかの3走はすべて勝ち星をつかんだ。
「(準決は)力不足ですね。脇本さんは全然違いました。競輪祭でリベンジしたい」
脇本のG1、3連続Vを阻むキーマンが、雪辱に燃えている。
「G1は強い人がいるんで楽しい。気持ちも入りますね。地元の九州地区っていうのもあるし、最低、決勝まで勝ち上がりたい。競輪祭でもう1回チャンスがある」
ヤンググランプリに出場予定も、この大一番次第でプラチナのGPチケットに変わる。