梅川風がVで初の夢舞台へ
ガールズGPトライアルの2日目が終わった時点では、ガールズGP出場の賞金争い圏外。本人も「状態が悪かった」と話す通り、決勝に進んだ7人中、最低ポイントで勝ち上がった梅川。「信じられない」と本人も驚愕の大金星を挙げて、初のガールズGP出場を決めた。
「グランプリが決まったことは嬉しいです。(優勝を確信したのは)ゴール線までわからなかったですね。勝因は冷静でいられたこと。でも、実力とは思っていません。自分だけでなくて、(自分と)練習して下さる人達のおかげ」
スピードスケートから転身して輪界入り。卒業記念レースを制するなど、在校時代から勝負強さが光った。初ビッグ出場となった今年のガールズケイリンフェスティバルでは準Vと頭角を現してきたが、本人は厳しく自己ジャッジ。「グランプリへのこだわりは他の人より薄い。まだ成長しないといけない過程ですし。(ガールズGPへは)意識せずに臨んでいました」。それでも、持ち前の判断力を大一番で発揮。ホームで仕掛けた石井寛を冷静に追走し、内に切り込んで石井寛をインからまくる。そのまま力強く押し切って、優勝を手にした。
「みんなが一斉に動いて、読み切れなかったです。でも、ホームでは、そんなに踏まないかなと思っていましたね。(内からまくったのは)コースがそこしかなかった」
1カ月後にはガールズケイリンの頂点を決めるレースが控える。残りの時間を綿密にプランニングし、夢舞台で持てる余りの力を出し切る。
「残りの1カ月は短いので。計画的にトレーニングを積まないなと思っています。(ガールズGPは)インパクトのあるレースがしたいです」
鈴木は併走からまくった石井貴を追いかけると、直線で鋭く伸びて準V。獲得賞金を上乗せし、地元の静岡で開催されるガールズGP出場が決定。悲願が成就した。
「後ろで冷静に見られました。脚も使っていなかったし、伸びも良かったですね。ギリギリのラインでグランプリに乗れたことは、来年につながると思います。このあとは練習で追い込んで、優勝できる脚を作ります」
梅川を追った石井寛は、ゴール前で鈴木に交わされ3着。
「グランプリを見据えて、どれくらいいけるか試したくて。でも、踏む距離が短くなってしまったし、抜かれているので。この後は基礎トレーニングをしっかりして、グランプリを頑張りたいです」