• 広島競輪場開設63周年記念ひろしまピースカップ12/19〜12/22

後記 GⅢ 広島 12/19

金子貴が掉尾を飾る

金子貴志

金子貴志

 2竹内雄作選手の番手から、優勝を飾った5金子貴志選手。勝負強い走りで、15年最後を最高の形で締めくくった。カメラを向けられ、力強く拳を握りしめる。

 激動の1年を過ごした金子が今年最後の出走を笑顔を終えた。
 「優勝できて嬉しいです。(作戦は)雄作が仕上がっていたので、彼が優勝を狙えるタイミングで行ってくれればと思っていました。でも、無理矢理行ってくれたし、優勝は雄作のおかげです。最後は一成が見えて踏んだけど、キツくて。スピード的に差されたかと思いました」
 8月のサマーナイトで恥骨と坐骨を骨折。選手生命の危機にすらさらされる大怪我だった。しかし、「ここまでいろんな人が支えてくれました」と仲間に力をもらい、不屈の精神で復活を果たす。すると、わずか2ヵ月後の12月久留米F1を見事優勝。今シリーズの準決勝でも、自らの力でファイナル行きの切符を手に入れると、決勝は竹内の番手から勝負強さを発揮して栄光をつかんだ。
 「今年は怪我をしてからが苦しかったけど、結果を出すことが支えてくれた人への恩返しになると思って。でも、9月の段階では、まさか記念を優勝するとは思わなかったですね。やっぱり練習はうそをつかない」
 試練を乗り越えて、さらに輝きを増した金子。次なる挑戦へ、止まることなく歩き出す。
 「全日本までゆっくりしたいけど、1月にF1戦が連発であるので仕上げないと。来年は一人でも多く中部でグランプリに乗れるように。また、一戦一戦頑張るだけです」
 渡邉は自力に転じて2着に入るも、その表情に笑顔はない。
 「誰が見ても秀悟の突っ張りに付いていかないといけない。付け切って、そこからでしたね。悪いことをしてしまいました。去年のこともあって、3コーナーでかぶる前に力を出し切ろうと思って。届かなかったですね。ゴール前でも焦ってしまいました」
 近藤は、最終バックから抜群のスピードを見せたが3着まで。
 「打鐘で踏み合ったんで『よし』と思ったけど…。そこで仕掛ける勇気がなかったですね。そこからは渡邉君の追い上げを祈っていました。友和さんが内を行った分、僕は渡邉君を目掛けて。一瞬しか踏んでいません」
 金子を優勝に導いた竹内だったが、自身の記念初優勝はまたもお預けに。
 「優勝は遠いですね。番手にハマってからは余裕があったけど、綺麗に踏めなかったし、最後は力任せになってしまいました。でも、調子が悪い中で決勝に乗れたんで、プラスに考えます」
 持ち味を発揮した早坂だったが、竹内に番手に入られてはキツかった。
 「そもそも番手に入ったのが竹内君なんで。流したら出てくるし、踏むしかなかったですね。一成さんも来ないと思ったし、どうしようもなかったです。悔しいですね」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 吉永和生

 竹内―金子―村上が前団に構える。以下は、早坂―渡邉―佐藤、近藤―片寄―岡村で落ち着く。
 近藤は青板の2角から早めに動き出す。併せられた竹内が下げて先頭に立った近藤はペースを落とし、後方から押えて出た早坂が赤板過ぎに主導権を奪取。早坂に渡邉―佐藤と出切り、近藤との4番手併走の竹内が2角から巻き返す。早坂も合わせて両者の踏み合いで打鐘を通過。が、早坂に渡邉が遅れて、合わされた竹内は冷静に早坂後位に収まる。
 早坂の先行で最終回。後ろは竹内―金子―村上。渡邉は5番手で、近藤は一本棒の7番手。2角で番手から竹内がまくって出て、金子―村上の追走でバックを通過。渡邉は自ら3角でまくり上げる。金子が竹内との車間を空けて渡邉をけん制し追い込む。直線半ばで竹内をとらえた金子が、迫り来る渡邉を半車輪凌いでV。大外を強襲した近藤が3着。

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