元砂勇が混戦に断
S級特進をかけた注目の一戦。激戦を制したのは元砂だった。残り2周の赤板からハイピッチで流れる中でのまくり合戦。最後は力でねじ伏せた。
「ペースがずっと早かったので、前の様子を見ながらという感じでした。佐伯君が仕掛けて、小野さんがどうするかを見てから踏みました。前まで遠かったけど、なんとか勝てました。こういうところでしっかり勝てないとS級に上がっても勝てないですからね」
これで8場所連続のV。A級最強の称号を手に入れて、ひと足早くS級返り咲き。ファンの注目度は増すばかりだ。勢いそのままにS級戦も突っ走る。
「(三谷)竜生さんがダービーを獲って、奈良の若手は盛り上がってますからね。自分は乗り遅れている感じがあったけど、その流れに乗っていけるように。この優勝で来年のダービー(出場)も近づいたと思うし、S級でしっかり活躍できるように頑張ります」
単騎の大矢が元砂に続く形から迫って2着。勝負駆けに成功して、初のS級入りを決めた。
「運がよかったです。打鐘で8番手になってヤバイと思ったんですけどね。前が元砂君だったので、たぶん仕掛けてくれるだろうと。勢いをもらって、最後はしっかり踏めました。本当にラッキーでした。S級はもっとレベルアップしないと通用しない。喜んでいる暇はないですね。しっかり力をつけていきます」
北日本勢は別線勝負となったが、番手まくりの引地を追った阿部が3着で確定板に上がった。
「狙っていたとおりの形になりました。優勝するには絶好の展開だったんですけど、あとは脚力ですね。力の差がありました」
5番手からまくった佐伯は4着まで。
「前を取って引いて、緩んだところで行くつもりでしたが、打鐘から目いっぱい踏まれて厳しかったです。それでも仕掛けたけど、簡単に合わされました。何もしてない感じなので、悔しさはそこまでないです。前回福井で3連勝しているし、この後に6連勝すれば特進できるので頑張ります」
番手まくりの引地は5着の結果に肩を落とした。
「本当に情けないです。あれだけ高木君に行ってもらったのに恥ずかしいですね。理想の展開でしたけど、出切った時点で脚にきてました。でも、出ないと(別線に)行かれてしまうので。もう最後は脚が残っていなかった。力不足です」