勝負駆けの日野博がV
ナイターで行われた函館競輪場開設68周年記念「五稜郭杯争奪戦(G3)」の最終日、6月5日の9レースにおいてレインボーカップA級ファイナルが一発勝負で争われた。レースは3番手からまくった日野博幸が優勝。日野に続いて2着の大竹慎吾、3着の三登誉哲の3選手がS級2班への特別昇級を果たした。
「3番手は(いい意味で)想定外でした。もうちょっと後ろかと」。日野に転がり込んだ絶好のポジション。冷静に勝利へのプロセスを組み立てた。そして、満を持して2コーナーからまくって勝利。このままでは来期A級だっただけに、勝負駆けの大一番でチャンスをつかみ取った。
「(橋本が来て)少し焦ったけど、口が空かないように注意してと。小原も掛かっていたし、強かったですね。このすごいメンバーで1着を取れたのは自信になりました。(S級の)権利がない時に(特別昇級を)決められたのは価値があると思う」
若手台頭が顕著な中四国。後輩の成長を目の当たりにして刺激をもらった。そして、確かな手応えをつかんでS級に舞い戻る。
「(後輩の成長が)うれしい気持ちもあるけど、(自分がA級を走っていて)もどかしい気持ちもありました。でも、1月から体調が良くなって。練習を思い切りできるようになったし、そこからいいですね。やっぱり練習は裏切らない。前回のS級は良くない時に上がってしまったけど、今回は自信を持っていけます」
大竹が続いて2着に入る。こちらも勝負駆けに成功し、自身の記録を塗り替える史上最年長での特別昇級を決めた。
「S級と思って走ると体が硬くなるから、流れで走れたらと思っていました。以前なら(別線に)差されていたと思うけど、いまの状態なら付いていける。自転車も体も、全体的に良くなっていますね」
三登は8番手から日野ラインを追うように仕掛けて3着。しかし、「(特別昇級が)うれしいとかではなくて、吉永(和生)さんと決めたかった」と、笑顔はない。
「せめて、ホームで(橋本の)仕掛けに切り替えないと。それか、脚を使っていないし、(日野の)先まくりの上を行くくらいじゃないとダメ」
橋本は小原を叩けず6着。来期A級からの仕切り直しとなった。
「ああなってもいいと思っていました。せっかくいいメンバーなので、違う展開を作りたかったです。今回は違うことをしたかった」