島田竜が勝負強さを発揮
伊東温泉競輪開設68周年記念「椿賞争奪戦(G3)」の最終日、12月16日の9レースにおいてレインボーカップA級ファイナルが行われた。レースは中部の3番手に付けた島田竜二が、空いた内を突いて優勝。丸山啓一が2着で、先行した吉田茂生が3着。以上の3選手がS級2班へ特別昇班を決めた。
来期もA級で勝負駆けの選手は不在で、純粋な力勝負となった。目標が不在だった島田は、悩んだ末に中部の3番手に付けた。この選択が功を奏す。吉田が赤板で出ると、別線からの巻き返しがなく、そのまま先行策。日当がインで粘る展開も凌ぎ切って、ラインで出切る。笹倉がまくってきた加倉を張ると、島田は勝負所を逃さなかった。2センターから空いたインを突いて、持ち味を発揮。直線を鋭く伸びて激戦を制した。
「勝てて良かった。前のおかげですね。でも、いつも通り走っただけですよ。(S級は)安全に走りたいね。ここまではウエートばかりしていました。体が重いので、10キロくらいは絞りたい(笑)」
昨年には心筋梗塞で戦線を離脱。しかし、逆境を乗り越えて復活を果たした。今期はA級に陥落したが、格上のキメ脚で連対を量産。再び戻るS級戦でも、勝負強い走りを披露する。
丸山は目標の嶋津が不発と見るや3コーナーから前に踏む。コースを縫って追い込むが、島田を交わせず2着まで。
「あの展開から2着までこれた。このメンバーで、これだけ戦えているってことは自信になりましたね。(半年間のA級は)苦しくもあり、楽しくもあり。競輪選手としての喜びを感じさせてくれた」
逃げた吉田が、3着に粘り込む。強気な組み立てでS級2班への特進を決めた。
「後ろ攻めだったので嶋津さんが先に動いてくれたらと思っていたけど、踏まなくて。1回出て、上がった時に日当さんに来られてしまった。(笹倉)慎也さんに申し訳ないです。あとは、嶋津さんがいつ来るかだけ不安でした。ジャン過ぎなら全開で踏もうと。(今シリーズは)竹内雄作さんとかもいるし、しっかり走ろうと思っていました」
単騎の加倉は力勝負に出たが、笹倉に阻まれて7着に終わった。
「(自力で)出るしかないとは思っていました。被る前に行こうと。でも、それがホームからならきつかったですね。日当が引いてきたら、(吉田の)ハコに追い上げようと思っていたけど」