充実の南関勢がリード
自力に追い込みと好メンバーをそろえる南関勢が一大勢力を築いて優勝争いを優位に進める。なにより自力型の層が厚い。G1でも活躍する郡司浩平、渡邉雄太に、堀内俊介、岩本俊介と他地区がうらやむ豪華メンバー。郡司、渡邉のツートップがラインをけん引するだろう。郡司はメンバー最上位の競走得点が物語るように、近況は好調だ。競輪祭は二次予選敗退となってしまったが、中団確保から鋭く伸びて一次予選1を快勝。11月防府記念では無傷で優出するなど、S級上位で戦いながらも高い勝率を誇っている。渡邉雄はこれで3年連続の当所記念参戦で昨年は南関勢で唯一、決勝に勝ち上がっている。5月名古屋で記念初優勝を飾り、G1でも活躍するなど、この1年でひと回りもふた回りも成長した。伊東記念にグランプリシリーズと年末は地元開催が続くだけに、しっかりと結果を残して1年を締めくくりたい。競輪祭で大きな着を並べた渡邉晴智は状態が気がかり。弟子の渡邉雄に郡司ら今シリーズはスジの目標には事欠かないだけに、チャンスを生かせる状態に仕上げて臨みたい。もちろん岡村潤、和田健太郎、福田知也も条件は同じ。鋭いキメ脚で優勝争いに加わるか。
中部勢は竹内雄作の追加参戦でなかなかの戦力になった。オールスター後は腰痛で1カ月以上欠場があった吉田敏洋だが、10月豊橋記念あたりから本来の力強さを取り戻した。競輪祭でも一次予選で2連対し、ダイアモンドレースに進出。一次予選は番手回りだったが、自力でも十分戦える状態にある。竹内は自分の形に持ち込めなかったときのモロさはあるものの、主導権を握り、自らのペースに持ち込んだときの強さは健在。競輪祭でも逃げた4レース中で3度の確定板入りを決めている。北野武史、近藤龍徳は吉田、竹内と連係して優出を狙う。
関東勢には鈴木竜士、横山尚則に金子幸央と自力型がそろっている。鈴木は今年後半から積極的な走りで急成長を遂げた。来年からはG1を主戦場に移しての戦いがはじまるが、その前に今年最後の記念開催で弾みをつけたい。今年中盤こそ調子を落とした横山尚則も、後半戦からは調子を戻している。鈴木に金子と茨栃の機動型同士でうまくまとまれれば南関勢とも互角の勝負に持ち込めそう。そして、何より司令塔役の諸橋愛に鋭さが戻った。10月の千葉記念in松戸を皮切りに、11月防府記念、競輪祭、12月広島記念と優出続き。最後の最後になってS班の意地と底力を存分に見せ付けており、ラストの佐世保記念まで手を緩めず戦い抜く。
中四国勢は後半戦の失速で惜しくもグランプリ初出場を逃した原田研太朗がどこまで立て直せるか。昨年大会は太田竜、阿竹智と同県の自力タイプの軸として決勝戦を戦ったが、今年は自在の黒田淳や、工藤文彦、才迫開が追加となったとはいえ、この地区の唯一といっていい上位で戦える機動型。桑原大志、渡部哲男に堤洋、三宅伸の成績は原田のデキにかかっている。
大槻寛徳、荒井崇博はそれぞれ争覇級の追い込み型だが、スジの自力がやや手薄。大槻は、早坂秀悟、高橋陽介、永澤剛が勝ち上がってくればだし、荒井は自力覚悟のシリーズ。東口善朋は、9月の落車から復帰初戦の12月川崎がまずまずだった野原雅也や、川村晃司のデキ次第で急浮上がある。