桐山敬がまくり一閃
「長かったですね。腐らずにやってきてよかった」
別線の両ラインに自力型が並ぶ大激戦。レース巧者の桐山敬太郎は、冷静な立ち回りで14年8月小田原記念以来、2度目のG3制覇を果たした。
「3日制とはいえ、うれしいです。(前回の記念Vは)ギア規制が始まる前だったんで。その次の年に、2回G1の決勝に乗ったんですけど、その後がボロボロで。最近、またちょっと練習とかスキルの面で味が出てきたのかなって思います」
青板のホームから宮本隼輔がゆっくり動き出すと、高久保雄介は誘導員を降ろして突っ張り、一気にスピードが上がる。宮本は再度、赤板のホームから踏み込むが、山本伸一のけん制でいっぱいに。そこで、河端朋之がスパート。高久保の番手から出た山本と踏み合っているところを、桐山がまくり切り、後続を突き放してゴールした。
「(別線が)モガき合うのは見えていたので。踏み出せる時に仕掛けようと思っていて、あの展開になったから踏んでいきました。(踏んだ時に)行けたなっていう感じはありましたね」
前々に立ち回る自在戦が武器の桐山だが、準決勝では最内枠の1番車で後ろ攻めを選択。別線の動きを待ち、稲川翔から山本の番手を奪取して決勝進出を決めた。
「たまに普通じゃないことをやって、はまったのが準決勝。いつもと違う事をやって、周りをまどわせるというか。G1に向けて、今だとダービーに向けて、考えながら走っています。力では勝てなくなっているので、はまる確率を上げていくというか、そういうのも考えて走っています」
最後にG1決勝に勝ち上がったのは、15年9月松戸のオールスター。もう一度、あの舞台を目指す。
「G1の決勝に上がった時に、G1を獲るっていうのが目標になって。最近は遠ざかっていましたけど、今回獲れたんで、一歩ずつですね」
他地区の勢いにも負けず、さらに味のある桐山に成長する。