熾烈なV争い
S班が不在で混戦模様だが、桑原大志に期待。S班として戦った昨年はビッグでの優出はなし。しかしながら、9月岐阜で記念を初制覇など、随所で底力を見せた。その後は10月親王牌の落車で調子を落としていたが、2月奈良記念で1着と3勝。二次予選では切り替えてからのまくり追い込みで新山響らから白星を奪取した。「自分のステージを考えた時に、外を踏めないと戦っていけない。今はそれが自分の中のテーマ」と先を見据えた走りで結果を出した。小川真太郎や河端朋之を好操縦し、地元の意地を見せる。小川は年初の平塚を完全Vとスタートダッシュに成功。その後も同月和歌山記念、2月の高松記念を優出と乗れている。全日本でも強気な走りで2勝と、ひとつステージを上げた印象だ。攻撃的な組み立てでライバルを圧倒しよう。河端は昨年の世界選手権ケイリンで銀メダルを獲得。さらに1月香港でのW杯でも銀メダルと世界の強豪達と互角に渡り合っている。競技と競輪とのギャップを克服できれば、強烈なダッシュでV獲りも十分だ。
今年から自力への転向を宣言した和田健太郎。初戦平塚での準V以降は目立った活躍こそないが、奈良記念の最終日では井上昌らをまくって白星。今シリーズも桐山敬太郎との連係があってもなくても連候補から外せない。桐山は、1月立川記念を1着。さらに2月静岡記念も優出と状態が上がってきている。自力、番手と任された位置で持てる限りの力を発揮しよう。
近畿勢も粒ぞろい。中でも山本伸一は12月四日市記念で準V。その後も1月伊東を制すなど、俊敏な動きを見せている。他の機動型に松岡健介、援護陣も稲川翔、南修二と職人気質な面々がそろう。1枚岩で結束なら、本線にも十分対抗できる。
関東は山岸佳太、牛山貴広の茨城勢が軸。山岸は先行基本の競走で着実に実力アップ。2月取手では逃げて川村晃らからVを奪取している。落車明けの牛山はまだ本調子とは言えないが、2月奈良記念で準決に進出と徐々に状態を戻している。
自力兼備の荒井崇博やS級に復帰した島田竜二は、吉本卓仁、坂本健太郎らが優出なら勝機拡大。一発まくり脚ある佐藤博紀や、竹内智彦らの北日本勢も軽視禁物だ。