宮本隼が本社杯を制覇
10日の松山記念シリーズ最終日、本社杯「第113回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」が行われた。
臆することなく最終ホームから仕掛けた宮本が、S級5人と稀にみるハイレベルな同期との一発勝負を制した。
「いやぁ、やられたと思いましたよ。後ろにいるのもわかってたんで」
直線、外から詰め寄る松井との僅差の争いになった。競輪学校時代から同部屋、同じHPD教場で互いを高め合ってきたライバルを宮本が4分の1輪抑えこんだ。
「森田が来るのはわかってたんで、(そのラインの)後ろからすかさず(仕掛けようと)と思ってました。そしたら河合は間髪入れず来たんで、バックに入れた。河合がやったことを自分がやりたかった」
河合が森田を叩き切ると、宮本は仕掛けどころを逃さず踏み込んだ。3角で前団をとらえて、真っ先にゴールへ。
「河合と森田は長い距離を踏めるし、短くなると松井さんと藤根が有利になる。そこを考えてました」
同期との大一番を勝ち切った宮本は、次回、国際自転車トラック競技支援(G3)。地元シリーズが待っている。
「次に向けてやってきた。防府もそうですけど、頑張ればG1が見えてくる。グレードレースで(清水)裕友と並びたい。そのためには僕が頑張るしかない」
期は違うものの同県のS班、清水裕とは同年齢。まずは清水と同じステージへ。ルーキーチャンピオンを弾みにする宮本は、立ち止まれない。
曽我が連結を外して松井が、宮本を追うように続く。藤根、さらに小林が宮本に切り替えると、松井は外を踏んだがわずかに届かなかった。
「力を出し切れなかった。悔しいですね、これで(宮本とは)2勝2敗。ラインが欲しかった。僕にもラインがあれば…。ラインがあるなかでビッグレースで勝ちたい」
主導権を奪った河合マークの小林は、宮本が空けたインを伸びるも3着。
「ワンテンポ遅れた。ダッシュがないのに…。あれが先に踏んでいれば、(宮本を)差せたと思う。(このレースは)自分のなかではコースを探して、つくるっていうのが課題だった。成長できたって思うけど、もっと磨いていく」
最終ホームで主導権を奪った河合は、シンガリに沈んだが持ち味は発揮した。
「見せ場は作ろうと思ってた。力は出せたんでね。先行できたから次につながるし、押し切れる力をつけたい」