• 平塚競輪 KEIRIN GRAND PRIX202012/28〜12/30

後記 GP 平塚 12/28

初のビッグタイトル獲得

和田健太郎

和田健太郎

グランプリ優勝写真
グランプリ優勝写真
グランプリ優勝写真

「まだなにか信じられない。ドッキリじゃないかと思ってます」
絶大の信頼をおいている郡司浩平のまくりのスピードが最終3コーナーで鈍ると、間違いのないコース取りで内に進路を取る。逃げる脇本雄太の番手の平原康多が清水裕友を外に張って、和田健太郎の前にぽっかりとVロードがひらけた。「平常心」でやれたというように、レースではいつも通りの運行でビッグタイトルをつかんだが、ヒーローインタビューではまだ夢心地だ。
「これで満足してないと言ったら全競輪選手に怒られます(笑)。(優勝して)満足しいます。(優勝は)僕の走りというより、地元バンクの郡司君の走りが(自分の優勝)つながったのかと。ほぼ郡司君のおかげです」
 獲得賞金7位で初出場のグランプリの権利を手に入れて優勝。初の賞金王に輝いた。04年の小野俊之、06年の有坂直樹に次いでノンタイトル(G1優勝なし)でのグランプリ制覇だ。
「(デビューしたころはG1優勝が)あまりにも遠かった。正直、今も(G1優勝へのこだわりは)ない。自分がいつも頑張ってやれるレース。いまさら気取ってもしょうがない。いままで通りですね、グランプリを獲って変わったって言われるのも嫌なんで」
デビュー19年目のグランプリ制覇。05年に平塚で行われたヤンググランプリには出場したが、G1初優出は17年。遅咲きの87期が11回出場の同期、平原も成しえていないグランプリ優勝を飾った。
「このレースで自分の車券を買ってくれて勝負してくれている人がいる。だから、G1とかF1とかレースの格に関係なく、自分は目の前にあるレースを一戦、一戦頑張るだけです」
 “雑草魂”でつかんだグランプリ。21年はチャンピオンジャージをまといプレシャーと責任のなかでも、一走入魂のスタイルは変わらない。

 逃げた脇本雄太は、2年連続の2着。平原とタッグを組んで戦った大一番をこう振り返る。
「自分のなかで最善は尽せたと思う。これだけやって負けたならしかたない。自分の中で初手は理想の形でしたね。新田(祐大)さんの後ろから進めたかったので。松浦君の動きが自分のなかで想定外でしたね。あんなに持ってくると思わなかった。自分のなかでは優勝した高松宮記念杯と同じ感じで走れたと思うんですけど、周りが自分のレースを研究しているなって感じました。平原さんと初めての連係だったし、やった方だと思います。お互いに今まで敵同士として戦ってきたけど、今回ラインを組んで。平原さんに任せてもらえたのは光栄ですし、お互いに尊重しながら戦えた。負けて悔しいですけど、走っていて楽しかった」

 連覇こそならなかったが、佐藤慎太郎は最終バック8番手からコースを探して3着に突っ込んだ。
「新田も1回、動けばよかったんですよね。本人もレース後に言っていたけど。まあ2着まで行けそうな感じで踏めた。ワダケン(和田)みたいにいつチャンスがくるかわからないですから。チャンスがきた時につかめるように準備したい」

Race Playback

レース展開4
 逃げた脇本雄太選手と平原康多選手の間を突き抜けた和田健太郎選手がV。脇本選手が2着、3着に佐藤慎太郎選手。

レース経過

誘導員 : 斉藤竜也

 号砲で飛び出した松浦悠士がスタート争い制して、清水裕友との中国コンビが前受け。以下は、郡司浩平−和田健太郎、新田祐大−佐藤慎太郎−守澤太志、脇本雄太−平原康多で周回を重ねる。 赤板を通過して各ラインがけん制し合う中、2コーナー手前8番手から脇本が一気に仕掛けて主導権を握る。合わせて踏んだ松浦は脇本に飛び付きを狙うが、平原がしっかり番手を死守して最終回へ入る。5番手の郡司は1センターから反撃開始も、清水のけん制で車の出は悪く、3コーナーで外に膨れた松浦のあおりを受けて後退。清水は2センターで松浦の内へ切り込んでタテに踏み込むが、平原の強烈なブロックでスピードが鈍る。4コーナーを回って脇本と平原の直線勝負かと思われたが、2センターで清水の後ろに切り替えた和田が平原の内のコースを突いてゴール手前で脇本を鋭く交わした。昨年同様、先行勝負に出た脇本が2着に粘り、大外を仕掛けた新田が不発と見た佐藤は、最終2センターから和田と同じコースを踏んで3着に入った。

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