• KEIRINグランプリ202212/28〜12/30

後記 GP 平塚 12/28 ガールズ・グランプリ

初出場で新女王に

柳原真緒

柳原真緒

グランプリ優勝写真
グランプリ優勝写真
グランプリ優勝写真

 「まさか自分が獲れるとは思ってなかった。初出場、初優勝を目指してましたけど、ビックリです」
 5月平でのガールズケイリンコレクションで、念願のビッグレースを初制覇。「今年はグランプリ出場を決めることと、タイトルを1つ獲りたいと思っていた。両方が達成できた」と、前検日に今年を振り返っていた。その柳原真緒が、年末にそれ以上のタイトルをつかみ取った。
 レースは最終ホームで4番手に児玉碧衣、併走の石井寛子、佐藤水菜を前に見る7番手の最後方。厳しい展開に陥ったが、柳原はあくまで落ち着いていた。コースの空いた内に活路を見出して、前に踏み込んだ。
 「(最終2コーナー手前で)内が空いていた。佐藤さんが行った上は行けないと思ったので、自分はそっちかなと思って瞬時に判断ができました。内に行って空くかどうかはわからなかったけど空いた」
 最終バックで前団にとりつくと、外で児玉、佐藤が落車するアクシデント。2センターでは前に奥井迪、山原さくらがいたが、柳原は4コーナーから力いっぱい踏み込んだ。
 「師匠(市田佳寿浩・76期、引退)からは勝ったと思ったら負けると言われていた。それであそこは思い切り踏みました」
 一転、Vロードが開けた柳原だが過信はなかった。直線でスピードに乗せると、前の2人をまとめて交わして先頭でゴールを駆け抜けた。
 「正直、このメンバーでは勝てるとは思ってなかった。ただ、自分のやるべきことを冷静にやらないと勝てないなと。そこは冷静にできました。グランプリ獲るまではデキすぎですし、師匠と家族に支えてもらって感謝しかないです」
 110期以降としては、初のクイーン。初の賞金女王にも輝いたが、柳原は舞い上がることなく、現状を見つめてこう口を開く。
 「自分は新女王と言えるほどのレース内容も脚もない。1年かけてそう言ってもらえるように。グランプリを優勝した者らしいレースができるように頑張ります」
 師匠と二人三脚でひたむきにガールズケイリンに取り組んできた柳原だけに、これからも歩みを止めることはない。

 周回中は6番手にいた山原さくらは、赤板2コーナーで踏み込んで好位の3番手に入る。結果的にそのまま、前の尾方真生が逃げて、番手の奥井迪がまくる流れで、前々が功を奏した。
 「初手が思ったよりも後ろになってしまって…。もっと前が欲しかったんですけど、後方になってしまったので、ジャンで切らないと。そこが一番の勝負どころだったと思います。夢をみましたね。でも、サマーナイトフェスティバルがあったからこそ、今回のレースができたと思う。今回のレースが来年につなげられるように精進していきたい」

 打鐘の3コーナー過ぎに踏み込んだ奥井迪だったが、合わせて尾方がペースアップ。2番手に入り直して、再度のまくりで見せ場をつくって3着に入った。
 「(打鐘で)山原さんが来たので、(尾方の後ろから)出ていこうと思ったんですけど、尾方さんも踏んでいった。そこは1回落ち着いてと。後ろからも来ていなかったので、立て直そうと。最終2コーナーからは、自分のタイミングで行きました。(結果的に優勝できなくて)周りのレベルを感じましたけど、すごく落ち着いては走れた。ファンの方の声援も聞こえましたし、来年は地元(立川)でこの声援を聞きたい。もうこれが最後かなっていう思いもあったんですけど…。ファンの方たちのおかげで、もう一度挑戦しようっていう気持ちをもらえました」

Race Playback

レース展開4
 柳原真緒選手が直線で鮮やかに抜け出して優勝。山原さくら選手が2着。2番手からまくった奥井迪選手は3着。

レース経過

誘導員 : 白戸淳太郎

 スタートは奥井迪が先頭に出たが、尾方真生が奥井の前に入る。2周目のバックで児玉碧衣を石井寛子が迎え入れて、尾方、奥井、児玉、石井、柳原真緒、山原さくら、佐藤水菜で並びが整う。 ジャン前の2コーナーを立ち直ったところから山原が上昇を開始。誰も山原を追わず、山原はジャン過ぎの2センターで児玉の前に入る。4コーナーで奥井が仕掛けようとすると尾方も踏み込み、奥井は尾方に付け直した。7番手の佐藤も番手を上げていく。最終ホームは尾方が先行態勢に入り、奥井、山原、児玉、イン石井、アウト佐藤、柳原で通過した。1センターで佐藤が仕掛けるも車が出ず、石井は児玉の内に潜り込む。2コーナーで奥井が2番手からスパート。尾方は懸命に粘るが、最終バック線の手前で奥井が先頭に躍り出た。児玉はまくるもなかなか前に迫れず、後ろに置かれていた柳原は内に進路を取る。3コーナーで石井と児玉が接触して児玉が落車、佐藤も乗り上げる。奥井、山原、柳原で最後の直線に入った。3番手から柳原が前の2車を一気に抜き去り、ガールズグランプリ初出場初Vを達成した。ゴール前で奥井を抜いた山原が2着に入り、奥井は3着。

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