素質開花を告げるV
117期の早期卒業生として、寺崎浩平ともに鳴り物入りで一昨年の1月にデビューした。しかしながら、ポテンシャルを持て余すことも多く、結果はなかなかついてこなかった。昨年1月にS級に昇級。決して遅くはなかったが、寺崎には先を越されていた。
「(同期の寺崎に)負けないようにっていうのはあったけど、自分は自分。コツコツとやって腐らずにと思ってました」
G1デビューを一昨年に果たしたものの、その年のビッグは未勝利に終わった。今年8月のオールスターでの1着がビッグ初白星。ようやくその花が開きはじめた。
「(早期卒業でプロデビューしてからは)なかなか結果が出なかったけど、(ヤンググランプリで)最後に結果が出て良かった。去年は予備選手(補欠)で今年はしっかり走って結果が出たんで良かった」
昨年のヤンググランプリで補欠選手として、発走機につくことなく静岡をあとにした。その悔しさを糧に吉田有希とのタッグ。初めての番手回りでチャンスをつかみ取った。
「(吉田が)すごいスピードだった。いっぱい、いっぱいだったけど、なんとか食らいついていった。松岡(辰泰)さんが振ってきたけど、意地でも離れないように付いていきました。(優勝は)すごいうれしいです。吉田君に付いていって、最後頑張れば優勝できると思ってた。吉田君のおかげです。これをキッカケにG1でも頑張っていきたい」
長野所属の選手として初めてのヤンググランプリ制覇。来年は吉田とともに関東勢を盛り立てて、ラインをリードする存在に菊池岳仁がのし上がっていく。
3番手を確保した吉田有希は、冷静にまくりで前団を仕留めた。
「町田(太我)さんを踏みながら出して、もし誰かが来たとしてもそこ(3番手)で勝負をしようと思っていた。そしたらすんなり取れた。車間を切ってもってこられないように仕掛けた。菊池さんも勝負できるようにと思って外を踏みながら、いつもより早めに踏み直してからまれないように。今年は2着でしたけど、来年は自分が獲れるように頑張ります。」
単騎の寺崎が5番手で山口拳矢はその後ろ。寺崎が浮いて、踏み込んだ山口だったが3着まで。
「初手は一番いい並びでした。中団からが良かった。あとは吉田君がどうするかだった。(町田と犬伏湧也で)モガき合いになっても、叩き切っても外から3番手を決めようと思っていたので、そこは想定外でした。余裕はあったんですけど、寺崎さんが車間を空けて間合いを取っていたので難しかった。最後は一瞬、内が空いたので頭まであるかなと。でも、吉田君が強かったですね」