逃げ切りで待望のビッグV
今年でデビュー5年目に突入。グランプリには21年から3年連続で出場中だが、なかなかビッグレースには手が届かなかった。
「(20年にデビューして)5年間長かったけど、自分の走りで優勝できて良かった」
姉デシの児玉碧衣が、周回中は6番手に構える。誘導後位に入り先頭でレースを進めた尾方真生は、5番手の山原さくらのアタックに呼応するように先行策の腹を固めて踏み込んでペースを上げた。
「前から攻めたいなって思っていた。(山原が)見えて1回踏んで、自分のペースに入れて最後は踏み直せた」
尾方がつくり出したペースに、山原は中団で失速。児玉もなかなか進まずに苦しんでいたが、尾方だけは後続をしり目に踏み直して再度、加速。2番手の當銘直美、3番手からまくった坂口楓華を跳ねのけた。
「(前回のあと)33バンクで練習した成果も出せたと思う。いつか(ビッグレースで)逃げ切って優勝できたらいいなって思っていたけど、その通りになって自分らしい勝ち方だった。大きいレースで先行が厳しくなっているけど、33バンクだし逃げ切れて良かった」
つかめそうでつかめなかったビッグレースを逃げ切りで制覇。これで獲得賞金ランクも、グランプリ出場圏内にジャンプアップ。覚醒した尾方が、4年連続のグランプリ出場に向けて波に乗ってきそうだ。
最終3コーナー過ぎからは空いた内を突いた小林優香は、直線でも尾方の内を追い込んで2着。
「(スタートで坂口を入れてしまった)あそこがダメでした。前に頼らずに自分で行っておけば違ったかなと。内に行く形になったけど、みんな踏んでいたんで内は空いていた。結果2着だけど、実際、私はなにもしてないのでダメですね。ここ最近では(ビッグレースで3日間)まとめられたけど、もう一段階上にいくためにも明日から練習します」
逃げた尾方の後ろで絶好のポジショニングだった當銘直美は、坂口のまくりに合わせるように最終3コーナー過ぎから外を追い込んだが3着。
「(尾方)真生ちゃんが上がってきたので、チャンスのある位置だと思って付いていきました。真生ちゃんの踏み出しに集中して、かぶらないようにメイチで踏んでいた。真生ちゃんの踏み直しがすごくてちぎれていく感じでした。真生ちゃんの気迫を感じた。何回もグランプリを走っている選手はすごい。今日(決勝)は力を出しての結果。やれることは精いっぱいやりました。脚は劇的に変わらないけど、今回は初日から気持ちに余裕があった」