体調に問題なければ古性優
輪界トップのオールラウンダーの称号を欲しいままにしている古性優作。今年のビッグレースの成績は、全日本選抜➍着、ウィナーズカップ❷着、ダービー❸着、高松宮記念杯❸着。Vには手が届いていないものの、ほとんど確定板を外していない。高松宮記念杯では素晴らしい動きを披露していたが、決勝はゴール寸前で落車。6月久留米記念を欠場している。不安材料があるとすれば体調だろう。脇本雄太も高松宮記念杯の動きは悪くなかった。決勝は南関の連係プレーにしてやられたものの、西一次予選2、白虎賞、西準決を3連勝。圧倒的なスピードで別線を沈黙させている。この時の調子を維持できていれば勝ち負けに持ち込める。
注目を集めるのは、第17回~第19回を3連覇している松浦悠士だ。今年はウィナーズカップでの落車負傷もあり、今ひとつ波に乗り切れない感があるが、6月久留米記念❺着の走りはまずまずだった。4連覇を達成し、ゲンのいい大会で上昇気流に乗るか。対照的に盟友の清水裕友は、年頭から高いレベルの成績を修めていて、獲得賞金ランキングは第4位に付けている。第16回大会以来となる2V目をゲットしても不思議ではない。中四国勢では犬伏湧也が調子上向き。高松宮記念杯では西準決3着、惜しくも8分の1輪差で決勝を逃がしたが、スピードの切れが甦ってきた印象だ。
南関勢は戦力が充実している。ダービー準Vの岩本俊介、和田健太郎の地元勢をはじめ、全日本選抜の覇者・郡司浩平、高松宮記念杯を制した北井佑季、今年はSS班復帰を果たした深谷知広、スピードスター松井宏佑など、今年のG1戦線で存在感を示してきた健脚がズラリとそろった。全日本選抜と高松宮記念杯の決勝は、いずれも神奈川勢の連係プレーを奏功させているので、南関勢の動向からは目が離せない。
ダービー王・平原康多が不在の関東勢ながら、昨年はG1で2冠を達成した眞杉匠を筆頭に小林泰正、坂井洋、吉田拓矢と若手の機動型がそろっている。幅広い作戦が立てられるので、好連係を決めて関東勢が優勝をさらう場面は大いにあろう。
新山響平、佐藤慎太郎の北日本SS班コンビは、両者ともに今年はやや物足りなさを感じるが、先頭員早期追い抜きで戦列を離れていたグランドスラマー・新田祐大の復帰は好材料だ。6月前橋記念1着、高松宮記念杯着など、決勝には乗れていないものの、ワールドクラスのスピードを発揮しての勝ち星は多い。
注目株は山崎賢人だ。パリ五輪は日本代表候補のリザーバーでフランスには帯同しないため、6月久留米記念に参戦し、結果は2❶着。うっぷんを晴らす激走を演じ、18年の取手記念以来となるG3優勝を飾っている。