後記 GⅢ 取手 06/03
今期、茨城在籍のS級選手は、S班の武田豊をはじめ27人(1班は12人)。全体のレベルが底上げされていることは疑いようがなく、いまや地元記念に出場すること自体が狭き門になっている。
そのなかで今シリーズが初めての地元記念だったのは、伊早坂駿、横山尚、山岸佳、吉田拓の4人。一次予選は薄氷を踏む思いでクリアした伊早坂だったが、2日目以降は嘱望されるポテンシャルで存在感を見せた。
「準決は後ろがワンツーで決まってくれたけど、自分がもっとステップアップしないと。脚の状態も良かったし、地元なんで気合を入れてきた。でも、最終日とかも完全に力負け。もっと粘れるようにならないと」
直前の追加配分のハンデもあった横山は、4811着。二次予選敗退のフラストレーションを力に変え、ファンに応えた。
「二次予選で負けて本当に悔しかった。先行選手、自力選手としてホームで叩かれて見せ場を作れなかったのは今後の課題です。武田さんにもアドバイスをいただいた。あそこで突っ張れるかどうかは、すごい努力と練習量をこなして克服していくしかない」
芦澤大との二次予選を悔やんだ山岸は、落車直後の地元シリーズ。1次予選を逃げ切ったが、伸びしろはまだまだある。
「二次予選はしっかり駆けていれば、3着には残れた。新山(響)とかと話して、いろいろわかったこともある。ニュートラルでのスピードをもっと上げていかないと」
ダービーの落車で左鎖骨のはく離骨折を負った吉田は、復帰2場所目の地元記念で新車を投入した。決勝は反撃のタイミングを逸してシンガリを喫したが、シリーズを通しての動きは上々だった。
「2日目は久しぶりにちゃんとした先行をしたんでキツかった。ちょっとバタついた感じもあったんで、もっとうまく回していきたい。(新しい)フレームは硬い感じだけど、流れるんであとは自分の脚ですね」
痛み止めを飲みながらも、及第点以上の走りを披露した吉田の高松宮記念杯に期待したい。