• 静岡競輪場 KEIRINグランプリ202412/28〜12/30

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GP 静岡 12/28

 眞杉匠を押さえた北井佑季のペースが、勝負の明暗を大きく分けたグランプリ。思いのほか踏み上げない北井に、内に包まれた眞杉は3番手で粘るしか術はなく。そこをドンピシャのタイミングで、脇本雄太が仕掛けて叩く。最終ホームの時点ですでに郡司浩平、眞杉らは限りなく圏外に近い流れで万事休す。真後ろにいた清水裕友に隙を与えることなく、古性優作が直線で抜け出して2度目のグランプリ制覇を果たした。古性は昨年の年間3度のG1制覇に続いて、今年はグランプリとオールスター、寬仁親王牌でビッグタイトルを3つ獲得。年間獲得賞金のレコードを塗りかえて賞金王になった古性が、「来年は近畿で全部、G1を優勝して、近畿9人でグランプリに乗ります」という言葉も決して、絵に描いた餅というわけではない。

桑原大志

桑原大志

 ギックリ腰による影響で今シリーズ前の練習でも不安を露呈していた桑原大志は、準決で山崎賢人の踏み出しに遅れたところを稲川翔の猛ブロック(失格)で7着。しかしながら、最終日は目標の青柳靖起が力尽きると、自力に転じてまくりで勝ち切った。

 「(まくりは)たまたまです。(青柳の)気持ちが伝わってきて、自分は責任のある位置だった。(腰部に不安があるが)それが昨日(2日目)はその通りになってしまった。そこ(追走)の精度を上げていかないと、グレード戦線では勝ち上がっていけないんで。今年は年頭に岸和田を走って、セッティングが出たなって思った自転車を稲川君、山田(久徳)君にみてもらった。そしたら全然、ダメって言われて、(セッティングを)全変えした。そこからいろいろやったりしたけど、ほぼそこ(年初のセッティングに)戻ってしまった感じの1年でした。(1月には49歳になるが)ある人が年齢は単なる記号だって言っていた。瞬発力とかは退化もしているけど、同じ発走機に立てば年齢は言い訳にできない」

岩津裕介

岩津裕介

 「えらいことをやってないと、若い子相手に気おくれするんで」と、厳しトレーニングメニューを試行錯誤しながら重ねているのは岩津裕介。恵まれた展開ではなかったものの、シリーズ2勝を挙げた。

 「(今年を振り返って)悪くはなかったと思うんですけどね。1着も取れていた。でも、大敗も多かった。もうちょっとそういう(大敗しそうな)時にもしのいでいけるように。追い込みはどうしてもどかしたり、コースを見つけて踏んだりいろいろとやろうとすると脚がうまく回らない時があるんですよね。意識がそっち(相手)にいくと。脚力ももちろん上げないといけないんですけど、もっと脚をうまく回せるようにならないとですね。その点、古性(優作)君はすごい。自力としていざとなれば1周駆けられますし、番手を回った時は追い込み選手よりさばきがすごいんでね。(目標は)そこですよね。(この年齢になっても試行錯誤を続けて)どんどん強くなってきている感じはする」

武藤龍生

武藤龍生

 昨年はオールスター、今年は日本選手権でG1ファイナルを経験している武藤龍生だが、さらなる大きな舞台にはステップアップが必要だ。

 「今回は正直、良くなかったけど、今日(最終日)取り返せたので次につながるのかなと。次に平がありますけど、いまは(そのあとの)大宮記念を目指してやっています。そこに集中して臨みたい。グランプリシリーズは初めてでしたけど、雰囲気が良くて1個上のステージ(グランプリ)で走りたいと思いました。決勝にも乗れていない自分が言うのもですけど、ラインが長ければ違うし、眞杉(匠)と平原(康多)さんと戦えるように。前の年よりは良くなっているけど、まだまだですし、毎年、もう1つなんです。ひと皮むけるように頑張りたい」

嵯峨昇喜郎

嵯峨昇喜郎

 9月の地元、青森記念で落車に見舞われた嵯峨昇喜郎は、鎖骨骨折の怪我を負って今シリーズが復帰4場所目。不本意ながら24年の走り納めとなったが、これが長いスパンで生きてくると信じたい。

 「(青森記念で)鎖骨をやってしまって、まだプレートが入っている。骨もまだくっついていない。体のいろんなところが痛くなって、去年(23年)の落車の影響もあるし、動かしづらくてまだ全然、良くないですね。12月を休めばS1の点数が取れたかもしれないけど、そういう風に取っても満足はできない。しっかりと走ってダメなら、脚力通りの点数ですから。今回は(新山)響平さんにもフォームのアドバイスをもらって、そこに向けてフォームを修正して自分の体になじませていければと思います」

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