生まれ変わった高松宮記念杯
取りこぼしも散見する脇本雄太ながら、自力攻撃の破壊力が輪界トップであることに変わりはない。4月武雄記念で4連勝すると、ダービーの準決では、上がり10秒7の好タイムで逃げ切り勝ち。後続の古性優作をまったく寄せ付けなかった。更に富山全プロ記念の優秀競走では、新山響平の逃げを上がり9秒フラの超速まくりでねじ伏せている。そろそろG1で結果を出したい。もちろん、地元の古性を中心視する手も十分。富山全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞では、近畿勢5名が乗ったこともあって脇本と別線勝負を選択。先制した新山の4番手を確保すると、最終バックからまくって優勝した。持ち味を存分に発揮しての優勝だったし、今ひとつだったダービーの時より動きも鋭かった。昨年に続き大会連覇の可能性は大いにありそうだ。
グランドスラマーの新田祐大をはじめとして新山、佐藤慎太郎、守澤太志とSS班4名を擁する北日本勢は、強大な勢力を誇る。新田は年頭から安定した走りを披露していて、4月高知記念で今年2V目を飾ると、同月小田原記念、5月函館記念はいずれも準V。富山全プロ記念での動きも悪くなかった。この大会は16、17年を連覇した実績もある。ウィナーズカップあたりから調子を上げている新山が主導権を握れば、首位に躍り出る場面も考えられる。佐藤は相変わらずベテランならではの安定プレーを演じているが、ダービーの準決で落車した守澤は、以後は実戦に姿を見せておらず、体調の不安は拭えない。
中四国勢も松浦悠士、清水裕友、犬伏湧也とそろっている。4月武雄記念で落車して調子を落としていた松浦悠士だが、富山全プロ記念4着の動きは力強さが甦っていた。清水はダービーで準Vなど動きが鋭く、中国ゴールデンコンビは両者ともに調子に不安はない。注目を集めるのは犬伏湧也だ。非凡なスピードには一段と磨きがかかり、航続距離も伸びている印象がある。ダービーでG1初の決勝進出を果たすと、5月函館記念3着、富山全プロ記念着と快走続きだ。自慢のスピードを遺憾なく発揮なら中四国勢から優勝者がでても不思議ではない。
ダービー王に輝いた山口拳矢の単にも魅力を感じる。富山全プロ記念では結果が出なかったが、翌日の競技のケイリンで優勝して寬仁親王牌の理事長杯の権利を手にした。勝負強さを発揮してのG1連覇も。タッグを組む浅井康太は調子良好。富山全プロ記念の優秀は山口が不発も、主導権を握った新田、佐藤の3番手に追い上げると、直線一気に抜け出したレースは素晴らしかった。
5月宇都宮記念で地元Vを飾った眞杉匠、5月函館で記念2V目をゲットした嘉永泰斗の破壊力抜群の自力攻撃にも食指が動く。
郡司浩平、平原康多は体調が浮沈の鍵となりそうだ。