地元エースの児玉碧衣
久留米ホームの選手は5人が出場するが、中でも児玉碧衣は絶対エースとしてV候補筆頭に推される。グランプリでの激闘の反動もなく、1月は3場所走ってオール1着と24年も好スタートを切った児玉だったが、2月に体調を崩して3月に取手で行なわれた最後のガールズケイリンコレクションはシンガリ負けを喫した。ただ、続く4月玉野は完全Vと地元の大一番に向けてしっかり立て直してくる目途は立った。完調なら児玉は負けない。現に1月に破った相手は小林莉子、坂口楓華、吉川美穂、石井寛子らと一線級ばかりだった。パリ五輪が終わって戻ってくるナショナルチームの選手とはグランプリ出場権を獲得済みの状態で戦いたいし、何よりも児玉は自分が主役になって大会を盛り上げたいという思いが強い。G1という明確な目標ができてレベルアップ著しいライバル達を、異次元のスピードを誇る自力攻撃でまとめて一蹴する。地元では完全復活も見えてきた小林優香、今年はビッグで結果を出したい尾方真生もV争いに加わる。
勢いでは坂口がガールズ一番だ。今年は10場所走った時点で26勝して、2着、3着が1回ずつ、着外はゼロと圧巻の戦績で、3月のコレクションも制して目下断トツの賞金女王。成績もさることながら、男子選手並の上がりタイムで後続を千切るレースが続いているのは一番の強調材料になる。ビッグレースでの経験値も増し、気持ちも強くなった。G1初制覇に待ったなしだ。
昨年は久米詩にとっても飛躍の一年だった。コレクション、フェスティバルを制し、G1もパールカップで準V、オールガールズは決勝3着。卓越したセンスを生かした積極的な自力攻撃で、坂口とともにガールズ新時代の旗頭となった。3月のコレクションは前受けからそのまま先行勝負に出たが、ここはより勝つレースを煮詰めて結果を出す。
昨年の新人王・吉川もビッグレースでは俄然怖さを増す。フェスティバル、オールガールズと準V2回。初のグランプリ出場も果たした。持ち味の自在戦でV争いに加わってくるだろう。
今年に入って絶好調なのが石井寛、小林莉だ。石井寛は4月前橋で今年7V目を達成、小林莉も同じく6V、準V3回と隙がない。両者ともにさらなるレベルアップにも余念がなく、大一番でも結果を出せる状態だ。山原さくら、柳原真緒、鈴木美教、奥井迪らもグランプリ級のトップレーサーで見逃せない。
さらに新興勢力の台頭も目立つのが最近のガールズ。野本怜菜、飯田風音、中野咲、日野未来、當銘直美らも力を出し切れば一発ありそう。ようやく姉妹でのビッグ登場となった太田美穂、瑛美も躍動する。