戦歴上位は竹山陵太 ~西武園ミッドナイト~

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竹山陵太
格上らしいタテ脚で決着を付ける
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仁藤秀
鋭い一撃で初Vを目指す

 8月10日開幕の西武園ミッドナイト。あっせんの関係で、この場所で完全優勝してS級特進を果たせなければ競輪祭出場は叶わないとモチベーション高かった隅田洋介がまさかの病気欠場。代わってシリーズの主役を務めるのは竹山陵太だ。前期S級の実力派で、好調を保っての降級とあって今期は好スタートを切った。初戦の7月青森モーニングは113着、続く防府モーニングも112着。青森こそ橋本智と連係しての結果だったが、防府は連日自分でまくって結果を出していた。売り出し中の強力先行・前川大輔と同乗なら目標にして、不在なら自ら位置を取ってのまくり勝負で決着を付ける。
 対するは、尾崎悠生、伊藤亮の地元埼玉コンビ。6月前橋ミッドナイトでは逃げ切って初優勝を果たした尾崎の先行力はかなりのもの。すんなり尾碕を逃がしたら、別線の巻き返しはかなり厳しいものとなる。
 また、先導役に齋木翔多を擁する南関勢も大挙して勝ち上がれるようなら侮れない。

 本命に推す竹山は前期まで6年間S級を走ってきた格上の存在。「(菅田)壱道君や(阿部)力也と練習したり、1日2回練習やるようになって脚の感じがいい」と、6月青森GIIIで1929着、同月立川229着と終盤は特に調子を上げていただけあって、今期も出だしから力の違いを示している。同地区の機動型に前を任せるレースが増えてきていて今節も前川との連係が理想だが、自力も健在で、直近の7月防府の特選、準決はまくりで勝っていた。“自分が思っているよりも車の出は良くなかったが、タイムは出ていたので”と手応えをつかんでいたし、ここもしっかり後手を踏まない組み立てから機動力を発揮。降級後の初Vを決めよう。

 チャレンジは、仁藤秀、佐々木眞也の117期南関コンビがV争いの中心だ。本命の仁藤は伊東ミッドナイト、川崎ミッドナイトと7月の2本は優勝こそできなかったが、伊東の決勝は落車のアクシデントがあってだし、川崎の決勝は在所4位の青野将が相手の準Vなら文句ない。力で押すというより、器用さが売りなタイプで、ここも流れに乗っての一撃で決着を付ける。佐々木は2戦目の7月小田原でV。決勝は南関連係で成清龍の番手を回って差し切った。ここも仁藤との連係ならVへグッと近付く。
 117期は地元の山田雄大、安達隆己もいるが、山田はチャレンジ2走をともに優参出来ていないし、安達は先行力はあるが、スピード不足。よほどうまく駆けないと優勝までは厳しそう。

 仁藤は、在所時代の能力評価でAを獲得している117期きってのダッシュ力を誇るスプリンターだ。ルーキーシリーズでは2戦目の6月伊東で215着と好走。本格デビュー後も初戦の伊東の決勝で落車をしたものの大きな影響もなく、伊東を114着、続く川崎ミッドナイトを122着と負けなしの連勝街道を歩む同期のトップ10には及ばないものの、上々の滑り出しを見せている。
 「いい意味で自分を過大評価することなく冷静に走れていると思う。脚力だけに頼った走りをするのではなくて、組み立ても考えて巧く走れればと思っています」
 まくりに最も威力があるが、最終的な目標はオールラウンダー。先を見据えて先行にも意欲を見せており、タイミングを逃さず仕掛けて初Vを目指す。

権田浩一記者

2020年8月10日 00時10分

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