鈴木庸之が5年ぶりのG3制覇 ~函館競輪場~

photo-17367
鈴木庸之
賞金ボードを掲げて記念撮影
photo-17368
ゴール線でハンドルを投げる1番車の鈴木庸之
大怪我から乗り越え復活のV

 函館競輪場で行われているナイター開催の『ミリオンナイトカップ(G3)』は8月10日に最終日を迎えた。激戦を勝ち抜いた7名による決勝戦が最終9レースで争われ、絶好の番手回りを生かした鈴木庸之(新潟・92期)が直線で鋭く追い込んで快勝。2015年5月松阪以来、5年ぶり2度目のG3制覇を果たした。

 レースは前受けの山岸佳太(茨城・107期)が赤板で後ろ攻めから上昇してきた山中秀将(千葉・95期)を突っ張る。打鐘前で阿部力也(宮城・100期)が笠松信幸(愛知・84期)後位に切り替えて隊列が一本棒になる。最終ホームで再び山中が巻き返すが、先行態勢に入っていた山岸がペースを上げて合わせ切り最終バックを通過すると絶好となった鈴木がきっちりとチャンスをモノにした。単騎の阿部力也が直線で中を割って2着に入り、逃げた山岸は3着だった。

 「作戦で山中さんでも椎木尾君でも突っ張ると。連日、山岸君のレースが弱気だったからどうなるかと思ったけど、1回は突っ張ると言ったから、その気持ちがあれば決まるなと。2着に残したかったけど、(阿部君に)割られた。(大怪我から復帰してから)与えられた場所と、与えられた番組で結果を出せている。もっと時間がかかると思った。昨年の5月にヘルニアの手術をして、昨年の今頃はベッドの上にいましたから」と一時期は歩けなくなるほどだった大怪我からの復活劇。「でも諸橋(愛)さんに頑張っている人は大怪我があるし、頑張っている人は良いことがあると言われていた」と尊敬する大先輩の言葉を胸に大きな壁を乗り越えてみせた。「今までは番手回りが好きじゃなかったけど、自分が前々に攻めているから、みんな前へ仕掛けてくれる。今は残すための仕事の楽しさがある」とスタイルを変えても競輪を心から楽しんでいる。次走は24日(月)から始まる地元F1戦。大きな手土産を持って、ホームバンクに凱旋する。

池端航一記者

2020年8月10日 20時57分

開催情報

ページトップへ