松岡辰泰が1・2班戦デビュー ~別府ミッドナイト~

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松岡辰泰
1・2班戦でも旋風を巻き起こすか
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緒方将樹
初優勝を目指し闘志を燃やす

 8月20日からの別府ミッドナイトは中國、四国、九州の3地区あっせん。やや混戦メンバーとなったが、注目ルーキーの松岡辰泰の追加参戦もあって勢い付く九州勢がV争いの中心勢力となりそう。本命には山口敦也を推す。7車立てになってからは2戦連続準決で敗退と苦戦していたが、8月広島は完全V。特選をカマシ先行で押し切ると、準決はロングまくりで快勝。決勝は単騎でまくった久樹克を追ってゴール寸前で差し切った。流れに乗ってタテヨコ柔軟に攻めるらしい走りで3日間勝ち切って勢いが戻ってきそう。松岡らそろった熊本勢とは別線の可能性が高いが、自分でやってもVの最有力候補だ。西田大志らが援軍に回ればラインもしっかりする。
 藤井將、石丸寛之の中国コンビも見劣りしない。藤井は4月小田原で1・2班戦初優勝を飾ると、開催中止明けもコンスタントに優勝争いを演じている。石丸は言わずと知れたS級トップで長らく活躍したレーサー。降級初戦の8月玉野は決勝3着と、貫禄のスタートを切っている。

 今シリーズの注目株は何と言ってもルーキー松岡だ。ルーキーシリーズの小倉は114着でVを逃したが、本格デビューするや、勝ち星を9つ並べてチャレンジを最短で卒業。在所7位はダテではなかった。「以前よりも長い距離をモガけるようになったと思うし、数値も上がりました。1・2班戦では勝ちよりも内容にこだわって。後手を踏むレースをすると後ろに迷惑がかかるし、緩んだところで積極的に行きたい。18連勝は恐れ多いけど、やるからには目指したい」。特班を決めた8月小倉ミッドナイト決勝の上がりタイムは10秒7。スピードスターが旋風を巻き起こす。

 チャレンジは、緒方将樹、伊藤旭、谷元奎心、和泉尚吾の117期勢が覇を競う。こちらも脚力伯仲の混戦だが、ルーキーシリーズも含めて、デビューからまだ一度も確定板を外していない緒方の安定感を買ってみたい。バスケットボールからの転向で“自転車に必要な基礎体力がまだまだ”と在所成績は低迷したが、“ダッシュ力には自信があります”と能力評価でAを獲得した素質は非凡だ。トップクラスも含め同県同期が7人もいる環境に加え、現役時代には九州の知恵袋と呼ばれて一流レーサーを何人も育てた名伯楽でもある父・浩一氏(30期・引退)に鍛えられたのがデビュー後の戦績。“力をつけるために先行してどこまで粘れるかです”と話すものの、現時点ではまくりの決まり手が多い。勝ち上がりはラインを決める競走を心掛けつつ、決勝は同県のライバル・伊藤との連係も含めた柔軟な立ち回りで初優勝を狙う。
 ただ、今回の117期勢は優勝未経験者ばかりで誰が勝っても不思議ないし、1・2班戦で決勝に乗っていて、今期も上々のスタートを切った高井流星の降班後初Vゲットも十分。

権田浩一記者

2020年8月18日 19時01分

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