古豪・松田治之に期待 ~名古屋ミッドナイト~

photo-21478
松田治之
チャンスは逃さぬタテ脚健在
photo-21479
橋本優己
積極策に徹して着実に成長

 本日、12月1日開幕の名古屋ミッドナイトは、中部、近畿の2地区の選手を集めたシリーズ。ただ、中部勢は機動型が谷本奨輝しか見当たらない一方、近畿勢は古賀勝大、江端隆司ら強力な先行型をそろえている。角令央奈、松田治之、内山貴裕ら近畿の追い込み陣が有利にレースを運べるとみて松田を本命視。S級時の6月の落車で3カ月余りの欠場を強いられた松田だったが、直近の11月大垣は近畿ライン3番手を守り切って準Vと復帰してからは堅実に着をまとめている。ここも好位は約束されたようなもの。しっかり勝機はモノにしよう。角は競走得点では松田に一歩譲るが、1月からS級に復帰するようにA級では格上の存在だ。今期も安定感ある走りを披露しており、11月福井で清水剛のロングまくりを差して優勝している。古賀は先行基本に着実に力をつけている若手。ここのところ優参失敗が続いているが、体調には問題なさそう。同型手薄な一戦だけに、しっかり結果も出して巻き返しのきっかけとしたい。
 競走得点最上位の愛敬博之は降級して1度も決勝を外さず、V3。ここは10月四日市の準決でも連係した谷本将輝を目標に地元Vを目指す。谷元は8月の落車から立ち直り、本来のパワーが戻ってきている。谷元が先制なら、再び愛敬が徹底ガードから抜け出すケースは十分。後藤彰仁、上田隼、竹内公亮の岐阜勢も位置次第で勝機はある。

 松田は長らくS級で活躍した実力者。近年は怪我が多く、以前のようなタテ脚を生かしたトリッキーな走りは見せられなくなったが、底力があるのは前期は3年ぶりのS級復帰を果たしていることからも窺い知れよう。降級の今期も長欠があって9月からのスタートとなったが、まずまず順調。“前が頑張ってくれている”と復帰後は初日特選で4勝を挙げるなど連対を重ねている。46歳のベテランながら実戦を見ても差し脚は切れており、目標に事欠かない今シリーズは昨年4月和歌山以来のV獲りへ期待が膨らむ。

 長谷部龍一、橋本優己の岐阜勢と和泉尚吾の力比べだ。難しいが、本命には橋本を推す。7月松阪ミッドナイト、8月福井を立て続けに優勝した後は優勝がないが、“内容重視の競走を心掛けている”と最近はレースが積極的。“優勝はたまたま。まだかみ合ってないところがあるんで。自分のパワーとか脚とか上がっているところはあるんですが、それが上手く自転車に伝わってなかったり。フレームとかセッティングとか色々換えてみていい状態に持っていこうとしてるんですけど。(現役レーサーの)父親からのアドバイスも受けています”とまだ成長途上ながら、ここは絶好のV機が到来だ。“人の後ろを回ることはない”と同県の長谷部とも別で力勝負になりそうだが、現時点の勢いでは橋本の方が上か。
 長谷部は直前の11月大垣ミッドナイトの大叩きが気になるが、準V4回など悪くない戦績だ。今回は初優勝のチャンスだし、汚名返上の走りが見られそう。積極策に徹して着実に力を付けている和泉の押し切りも捨て難い。

権田浩一記者

2020年12月1日 14時00分

開催情報

ページトップへ