手応えつかんでS級へ ~高知ミッドナイト~

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山口敦也
A級最終戦。タテ脚一本でVを目指す
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橋本優己
デビュー年は先行選手として試行錯誤

 12月19日からの高知ミッドナイトはやや混戦模様も、山口敦也、西田大志の九州コンビがV争いの軸になる。次走からいよいよ初のS級に挑む山口はダッシュを生かした自力自在な競走が持ち味。“選手になって一番のデキ”と10月松山ミッドナイトでは九州別線だった新鋭・松岡泰を中団先まくりで下して今年4V目を飾っている。ここも緒方将樹、高木竜司の熊本勢とは割り切って別線で勝負。A級最後の一戦を勝って弾みを付ける。西田は11月小倉ミッドナイトの特選、決勝でも信頼して前を任せた山口に再度。その俊敏な動きにしっかり続くか。
 地元の田尾駿介に、自在戦が冴える三好陽一の四国勢も侮れない。直近の12月松山の初日特選で逃げて橋本瑠を不発に追い込んだ三好は元気一杯。自力で勝負になる相手だが、ここはともに1月からS級に上がる田尾との連係から勝機を見出すか。
 自力健在な石丸寛之は得意のまくりで一発を狙う。直前の12月小倉ミッドナイトでの急病による当日欠場は気になるが、A級にも慣れて安定した戦績を残しており、完調ならV十分。あと3勝と迫った節目の400勝達成へ前進したい。

 昨年前期のレインボーで特班するまでは長い距離を踏んで勝負する自力型だった山口だが、昇班すると、チャレンジャー精神で持ち前のダッシュ力を生かし、位置取りも重視する自力自在タイプに変貌。やや波はあったが、順調に好成績を積み重ねて1年半で次走からはいよいよ「楽しみと不安と半々」と話すS級の舞台にデビューする。10月松山ミッドナイトでは九州別線だった新鋭・松岡泰を中団先まくりで下して今年4V目を飾っているが、前走の12月別府ミッドナイトでは新鋭・石原颯を相手にも先行で勝負するなどマークした選手が“まくりかと思ったら早めに仕掛けたので驚いた”と話す3日間全てで積極策。S級を見据えてのことで、このA級最終戦もタテ攻撃一本で勝負しよう。手応えと収穫を得たい。

 チャレンジは、橋本優己に、林敬宏、内藤久文と117期が3人出走する中部勢がV争いをリードする。本命は橋本だろう。8月福井を最後にVから遠ざかっているが、“内容重視の競走を心掛けている”と最近はレースが積極的。“まだかみ合ってないところがあるんで。自分のパワーとか脚とか上がっているところはあるんですが、それが上手く自転車に伝わってなかったり。フレームとかセッティングとか色々換えてみていい状態に持っていこうとしてるんですけど。(現役レーサーの)父親からのアドバイスも受けています”と自転車から、カマシか押さえて出るかなど仕掛け方から試行錯誤している段階ではあるが、ここは絶好のVチャンス。しっかり決めて波に乗っていきたい。
 “地脚に自信が付いてきた”と逃げて結果を残せるようになってきた林も優勝は時間の問題と言った近況だ。内藤も先行、まくりとバランス良く使い分けて決勝の常連として定着しつつある。同級生の2人で組むようなら、ここが本線になるか。
 降班して優勝も獲っている有馬雄二は好位を捌くか、調子を上げてきた元砂海人を好操縦して上位進出を目指したい。
 新人に見劣りしない機動力を誇る島村匠も今期初Vに燃える。

権田浩一記者

2020年12月18日 16時54分

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