強力中部勢に挑む井坂泰誓 ~奈良ミッドナイト~

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井坂泰誓
中部勢優位の流れに風穴を開ける
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村田瑞季
待望の初Vも決め、波に乗っていく

 12月25日からの奈良ミッドナイトは、駒数豊富な中部勢から優勝者がでそう。本命は実績、格からも舘泰守だろう。降級の今期はS級でも通用していた実力を存分に発揮。14場所で13回優参し、決勝確定板入りが8回と常に優勝を争ってきた。北陸組とは別でも、乗れている西浦仙哉を目標なら言う事ないし、いざとなれば展開不問のタテ脚で突っ込んでくる。S級復帰前の最後の一戦をいい形で締めくくるか。谷本奨輝を先導役に、大庭正紀、岩本和也の北陸勢もV争いに加わってこよう。
 近畿勢は、井坂泰誓がV争いのキーマンとなりそう。落ち着いたレース運びに定評があり、昇班の今期は期待を裏切らない活躍ぶりだ。11月福井ではしぶとくまくり追い込んで1・2班戦初Vも果たしている。欠場が続くなどここにきて調子を乱しているが、小谷実も流れに乗っての一撃が怖い選手。内山貴裕との京都コンビも魅力的だ。

 2月奈良ミッドナイトの完全優勝からチャレンジでブレークした井坂。野球で鍛えた身体能力の高さが実戦でも発揮されるようになったのが要因だった。
 「古性(優作)さんにセッティング、ペダリングのアドバイスをいただいて、それをレースで出せるようになったのが大きいですね。踏み出しが強くなった。レースは、勝ちにこだわるレースをしているので、流れを見ながら組み立てるように心掛けています。吹っ切れて豪快に仕掛けられるようになりました」
 7月の昇班当所は、ギックリ腰になったりで失敗する場所もあったが、腐らず練習に励んできたのが今の成績。ここ3場所続けて決勝に乗り、11月福井の初優勝も含めて決勝でも全て確定板入りしている。「先輩にペース配分など色々とアドバイスを貰った。調子も夏場が苦手で、この時期くらいから上がってくる」。ここもタイミングを逃さない仕掛けで台風の目となるか。

 チャレンジは、村田瑞季、枠元一葵の117期近畿両者による力比べ。本命には村田瑞季を推す。12月大垣では、下井竜や、ここも近畿別線だった枠元ら相手に待望の初Vを3連勝でゲットしてみせた。“在所成績は18位で上位のほうだったんですが、デビューしてからまだ半分くらいしか実力を出せていない感じがします”とここまで悔しい思いをしてきただけに、これで波に乗ってきそう。地元バンクでは村上兄弟(義弘、博幸)、山田久徳らS級トップクラスに厳しく鍛えられ、“1個1個のレースで力を出すことだけを考えて”がモットー。“脚質は地脚タイプで距離踏めるのが強みだけど、スピード競輪になってきてるし、今後を考えるとそこも強化していきたい”と意欲的で、連続完全優勝を決めて新年は特班にも挑戦したい。

権田浩一記者

2020年12月24日 20時02分

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