『第64回朝日新聞社杯競輪祭』決勝は新山響平が制す ~小倉競輪場~

photo-53976
新山響平
表彰式で賞金ボードを掲げる新山響平選手
photo-53977
新山響平
優勝カップを手に笑顔を振りまく新山響平選手
photo-53978
鋭く迫る②郡司を④新山が2車身引き離してゴール線を通過
ラインの結束力とファンの声援を力に初戴冠

 11月27日(日)に小倉競輪場で行われた『第64回朝日新聞社杯競輪祭』の決勝戦は新山響平(107期・青森)が新田祐大の番手から抜け出して優勝を手に。昨年の当大会は同期の吉田拓矢に敗れて準優勝であったが、一年越しの想いを晴らした。
 
 「本当にラインの新田(祐大)さん、守澤(太志)さん、成田(和也)さんに感謝の気持ちでいっぱいです」。共同インタビュー場に現れた新山は開口一番、感謝の気持ちを口にした。
 北日本勢は充実4車ラインを形成していたが、スタートの位置取りを含めて別線の動きを警戒してレースで、先頭で果敢に攻めた新田はもちろん、後ろを固めていた守澤、成田の存在も心強かった。
 「本当に優勝を狙いにいくって考えた時に前(ラインの先頭)なのか新田さんの番手なのか。4車っていうのもありますし、番手の方が確率が上がるのかなって思ったので、番手を回してもらえるように自分から言いました」。これまで北日本の先陣役として頑張ってきたからこそ大事な位置を任せてもらえた。
 後方6番手に構えていた新田が打鐘目掛けて一気のカマシを狙ったが、正攻法に構えていた坂井洋も目イチで踏み込み番手で粘る形になってしまったが、焦ることなく外併走で耐えながら最終2コーナーから番手まくり。新田の想いを無駄にしないためにも思い切りペダルを踏み込んだ。
 「本当に新田さんにおんぶにだっこで、自分はただ番手から出ていくだけの走りになってしまったんですけど、新田さんの走りを無駄にせず最低限、自分のやるべきことはやれたのかなって思います。余裕はあったのでゴールまで踏める自信はありました。でも後ろはわからなかったので、ひたすら下を見ながらゴールまで踏みました。嬉しかったですね。声援も凄くて背中を押されました」
 今年の10月でナショナルチームを引退して〝競輪一本〟で戦っていくと決めた新山。甘さを捨てて〝競輪〟と向き合いながら今年最後のG1で悲願を達成した。
 「ナショナルチームの練習や経験を経て今の競輪に対応できているのかなって思うので。競技をやっていた頃は、競技がダメなら競輪で、競輪がダメなら競技ってどこか甘い考えが
合ったと思うんですけど、競輪しか走ることができなくなって、より一層、緊張感を持って走れていると思います」
 KEIRINグランプリ2022の最後のチケットをつかみとった新山。来月、平塚で行われる大一番が待っている。
 「グランプリのことは考えていなかったんですけど、競輪祭を勝つっていうことはそういうことだと思うので、優勝者を出せるように。しっかりと迷惑をかけないようにトレーニングを続けていきたい」
 
 

細川和輝記者

2022年11月27日 22時24分

開催情報

ページトップへ