開設74周年記念『大楠賞争奪戦』が開幕 ~武雄競輪場~

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九州4車で結束して他地区を迎え撃つ
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山田英明
2度目の大会制覇を目指して初日から奮闘
平原康多のダービー優勝に刺激を受けて

 5月11日(金)から武雄競輪場を舞台に開設74周年記念『大楠賞争奪戦』が幕を開ける。初日特選は九州4車で結束し他地区を迎え撃つ。68周年記念の覇者でもある兄の山田英明(89期・佐賀)と、3月当所G3の大阪・関西万博協賛競輪を制した弟の山田庸平(94期・佐賀)が揃って参戦してシリーズを盛り上げる。
 九州地区は嘉永泰斗を先頭に4車で結束。その後ろに北津留翼-山田庸平で並び、一番点数を持っている山田英明が4番手を固めることになったが、山田英明に迷いは一切なかった。
 「初日特選だから2対2に分かれてもっていう意見もあると思うんですけど、嘉永はこれからの九州を背負って立つ選手なので。本人もやる気でしたし、やっぱり4車の先頭っていう責任感は違うと思うので。点数は僕が一番持っていますけど、4番手を回るっていうのは全然かまわないので。みんなで力を合わせて頑張ります」。
 
 山田英明は2022年に取手で行われた全日本選抜競輪の準決勝で落車してしまい、骨盤骨折という大怪我によりここ数年は低迷を余儀なくされた。それでも再び第一線に戻ってくることを諦めることなく己を磨き続け、今年和歌山記念で実に3年ぶりとなるG3決勝の舞台にも戻ってきた。2月に岐阜で行われた全日本選抜では2020年以来のG1決勝に進出とようやく本来の力強さを取り戻している。
 「どうしても諦めきれなかったですね。今年に入ってやっと記念の決勝にも乗れましたし、徐々に戦えるようになってきたなって感じているですね」。

 先日行われた第78回日本選手権競輪で平原康多が2年6カ月ぶりのG1制覇を達成したが、同い年の山田英明は刺激を受けないはずがない。
 「本当に凄いっすよね。42歳でG1タイトルですから。自分もまだまだ頑張らないとっすね。グランプリに乗ったことがない僕が言うのもあれですけど、平原康多と一緒にグランプリを走ってみたいって思いました」。
 
 2018年にはグランプリ出場を賭けて激しい賞金争いを演じていた実力者。山田英明にとってグランプリは「手が届きそうで届かなかった」舞台であったが、再び闘志に火がついたに違いない。選手にとってG1に匹敵するほど大事な地元記念は誰にも譲れないだろう。
 
 「一昨年、去年ってケガの影響もありましたし、(2年連続)準決勝で終わってしまっているので。やっぱり地元記念は気持ちが入りますし、一昨年、去年と比べたらやれる感じはあるので。優勝を狙って頑張ります。(地元記念は)もう10何回も出ていますし、気持ちと体がうまくかみ合ってくれれば」。
 
 68周年大会以来2度目の地元記念制覇を目指す山田英明の戦いが今年も始まる。

細川和輝記者

2024年5月10日 16時54分

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