山田英明にとって試練の準決 ~武雄競輪場~

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山田英明
予選を連勝で準決に進出
S級S班の強さを感じ、今度は自分が荒井の前で

 武雄競輪場で開催されている開設72周年記念「大楠賞争奪戦(G3)」は、4月24日に2日目が行われ、二次予選で勝ち上がりが争われた。落車による怪我の影響もあり、予選からのスタートを強いられた地元の山田英明(佐賀・89期・S1)だったが、初日に続いて連勝。初めての連係となったS級S班の松浦悠士の番手から、勝ち切ってファンの期待に応えた。

 「(松浦の後ろは)安心感がすごい。なにも心配しないで付いていくだけで、ゴール前で勝負が絶対にできるだろうっていうのがありました。あそこで仕掛けてどんどん伸びていくんですごかった」
 いままでも松浦とのタッグを組む機会のあった山田だったが、九州の自力選手としてのプライドもあって、別線を選択してきた。が、地元の二次予選、この番組を用意されて、納得の番手回りだったに違いない。
 「地元の番組のありがたさを感じました。(松浦に)付くチャンスはあったけど、自力の選手として売ってた。それで自分でやれることは、やりたいと思った。だけど、年齢も年齢なんで。(松浦は)さすがでした。ああなったら仕掛けるって言っても、レースになるとなかなか仕掛けられるもんじゃない。それをしっかりと仕掛けるし、ゴールまで残るんだから」
 松浦の強さを肌で感じた山田は、2月の全日本選抜の落車で骨盤骨折の大怪我に見舞われた。3月のウィナーズカップで復帰を果たしたが、初日で欠場。前回の佐世保で3走をこなしたものの、まだまだ万全の状態とはいえない。
 「(2日目は)自力で走ってないんで、なんともいえないけど1、1着なんでいいかなと思います」
 迎えた正念場の3日目の準決(10レース)。二次予選と打って変わり、ラインは同県の先輩、荒井崇博と2人だけ。それぞれ松浦、町田太我を目標に二次予選で白星を挙げた地元コンビにとっては厳しいメンバーになった。
 「前でやらせてください。別線にギャフンと言わせられるように」
 こう言って腹をくくった山田。試練は嫌と言うほど味わい、そして乗り越えてきた。18年に次ぐ2度目の地元記念制覇には、まずは準決を突破しなければならない。

竹内祥郎記者

2022年4月24日 19時55分

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