先行策で魅せた郡司浩平 ~四日市競輪場~

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郡司浩平
初日は古性優作の番手まくりを封じた先行力が光った
G1、そしてその先を見据えて

 開設70周年記念「泗水杯争奪戦(G3)」が、四日市競輪場で11月6日にナイター開催で幕を開けた。初日のメイン特選では、福島勢が付いて3車のラインができあがった黒沢征治の先行を許さず、郡司浩平(神奈川・99期)が積極的に仕掛けてレースの主導権を握った。和田健太郎が連結を外して、結果的には5着に沈んだ郡司だったが、番手にはまった古性優作との力勝負は別線にインパクトを与えた。

 「気持ち的にも前回よりも強い、攻める気持ちで走れた。結果5着ですけど、吹っ切れた感じもあります」
 前回の寬仁親王牌では初日の理事長杯を含めて2勝を挙げた。しかしながら、その2つの勝ち星は、ともに深谷知広の番手でのもの。和田健太郎とタッグを組んでラインの先頭を務めた2日目のローズカップ、3日目の準決では共倒れに終わっていた。それだけに初日特選は、郡司のなかで期するものがあったのだろう。
 「ただ、和田さんには、付きにくくしちゃった。古性とも切りに行くタイミングが合ってしまった。(最終)ホームで古性が後ろにいるのがわかったんで、あとは古性だけを見ていた。フカしすぎても、緩めすぎてもっていうのがあって、ペースに入れた。それで来たら合わせてと思ってました」
 今シリーズのあとには、今年最後のG1、競輪祭が控えている。すでに2月の全日本選抜を制して、年末のグランプリチケットを持っている郡司だが、競輪祭連覇がかかっている。新車を投入した理由も、そこにある。
 「(今回は)フレームも新しいんですよ。次に向けて試すならここしかないと思った。フレーム自体は良かったんですけど、(初日を走るまでは)セッティングに不安があった。でも、練習よりも走ってみて良かった。(2日目以降)これ以上いじるか、悩みどころですね」
 競輪祭に向けて好感触を得た郡司。今年は、静岡を舞台に年末の大一番、グランプリが行われる。最後の1冠、連覇はもちろんだが、深谷知広との決勝でのタッグが実現すれば、今度は郡司の前回りがあるかもしれない。地元グランプリ出場に勝負駆けの深谷を連れて先行策。そんな飛躍したシーンまでイメージしたくなる初日の力走だった。

竹内祥郎記者

2021年11月7日 01時21分

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